G Generation Guardian
意味が解らない。言っている事は分かるのだ。しかし、その様なSFでしか目にしない様な事を実際にやってのける人間などいる筈がないだろう。もし是が本当の事なのだとしたら、そうだ。
ここは悪の秘密結社か何かで、そこの老人は悪の科学者。美少女で人間をかどわかし、基地に連れて行った上で老人が改造手術を行い、そしてどのような戦局にも対応する無敵の改造人間を創り出すのだ。そうに違いない………………
「…Dr、偽りで無いとは言え、彼にはもっとかみ砕いた説明をしなければなりませんよ。彼の姿を見てください。蹲りながら何かを呟いて自分の殻に閉じこもってしまったではありませんか。」
『情けない奴じゃのお…それい!』
フォックスの言葉を受け、老人は呆れた様な口ぶりで言葉を返し、円盤からコードの様な物をハヤトに接触させる。
『発電開始。』
老人はそう言えばコードから電流が流れて行き、ハヤトの身体に到達する。
ハヤトは突如として襲った痛みに驚き、飛び上がった。
「痛ってえ!!!…何するんですか!!」
『お前さんの殻を破ってやったんじゃ。文句を言うでない。』
「…この人、苦手だ。」
自分を悩ませた根源である老人がさも善行をしてやったと言わんばかりの口ぶりで言葉を投げかけている。これには悪態の一つでも付かざるを得なかった。
「Dr。わざわざ彼に悪戯をする為に此処に来た訳ではないでしょう?」
Dr.Kとハヤトのやり取りを見かねたノエルが一歩も進まぬ状況に一石を投じる。その声色には少しばかりの苛立ちが窺える。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん