G Generation Guardian
その言葉を最後に、通信は終了した。ゼノンは席に改めて深く座り、深呼吸を行う。今日は厄日だと、この様な運命を遣わした天を恨んでいるのだろうか。
「…エネルギー充填が完了次第、我々は地球に跳ぶ。それまでに休息を行っておいてくれ。」
ゼノンは少し力の抜けた声で、クルー及び、ネロとヒロトに指示を行った。
ネロとヒロトはブリッジを後にし、Dr.Kから言い渡された自室へと向かう。
「今から地球ねぇ…ここ〈宇宙〉から観る分には綺麗なのに、その中ではあらゆる勢力が覇権をめぐって渦巻く混沌の星。楽しみだねぇ、ネロ君。」
ヒロトは少しばかりの機体を膨らませ、ネロに話しかけるが、彼が答える事は無かった。と言うよりは、そもそも此方の話を聞いていないと言った風である。眼が上の空で在り、此方に全く顔を合わせようとしない。
「ちょっと、ネロ君!」
「!!…何だ。」
ネロは驚き、眼を見開いた後ヒロトの顔を見た。恐らくこの世で最も嫌いな顔が、此方にバツの悪そうな表情を浮かべている。
「何だじゃないだろ?一人で喋ってちゃあ、まるで僕が馬鹿みたいじゃないか。」
「何を今更、当たり前の事を口にしている?」
「ああそうかい。…そうやって他人を引き離して最後は孤独に死んでいったらいいさ。一匹狼君。」
「貴様こそ童話の狼少年そのものだろう?
「嘘は付いて無いさ!口八丁で相手をかどわかすだけだ!!」
二人はまた相も変わらず、応酬のキャッチボールが繰り広げられる。しかし、その最中にあってもネロは一つ、どうしても頭から離れない。いや、離してはいけない事が在った。
「(…居るのだろうか、あの蒼い星に…。“彼女”は。)」
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん