G Generation Guardian
「確かに…もう此処に流れ着いた時みたいなのはゴメンだもんね。」
「それに、お前なら俺とレッドフレームのクセを解った上で整備してくれると思ったからな。」
「そ、それって…」
笑顔で答えるロウに対し、樹里は赤面し俯いてしまう。無駄だと思いながらしてきたアプローチも、ようやく実を結んだというのだろうか。この後どのような台詞を自分に掛けてくれるのか、妄想が止まらない。
「そりゃあこの数年、ジャンク屋としての技術を上げて来たからな!自信持っていいぜ!!」
「…。」
[…お前…。]
先程までの熱が、待ち望んでいた筈のロウの言葉で一気に冷めていくのを感じた。いや、自分の技術を褒めてくれたのは嬉しいのだが、そうではないのだ。こう、恋する乙女の心を射抜くロマンティックな一言が欲しかったのだ。全くこの男は、ロウ・ギュールという男は、どうしてこうもメカ以外に絶望的に疎いのか。…まぁ、そこが良い所でもあるのだが。
「ん?どうした?」
[got a message…]
絶句した一人と一台に気が付き声をかけるが、彼の興味はコンソールに届いた音声メッセージへと移ってしまった。
「…おい、プロフェッサーからメッセージだ!」
送り主は仲間のプロフェッサーからであった。何故通信では無くメッセージにしたのかは解らなかったが、恐らく多忙なのだろうと勝手な憶測をつけておいた。それより気になるのは内容だ。
「え、プロフェッサーもこの世界に来てたんだ!どんな内容!?」
「今再生する!」
[ごきげんよう。ロウ、樹里。元気かしら?いきなりで申し訳ないんだけど、宇宙にいるこちらに合流してほしいの。迎えを寄越したから、その人たちと一緒に上がりなさい。データは添付しておいたから。それじゃあ、向こうで会いましょう。]
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん