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G Generation Guardian

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「…外が、騒がしいのぉ…」

戦闘が行われている地点から目と鼻の先に在る、一つの粗末な小屋。その屋根には風が運んだであろう砂が積まれており、今にもそれに圧し潰されそうである。その中に済んでいる一人の老人が、静かに呟いたのだ。

「…ありゃ戦闘だな。こっちの都合も知らねえで、ドンパチなら他でやれってんだ。」

老人の正面に座す、少女が愚痴交じりにそう言葉を投げた。長い髪を束ね、女性らしい顔立ちをしているものの、いささか言葉遣いに粗雑なモノが見られる。そしてその胸は平坦である。彼女はその気に喰わぬ顔のまま、グラスに残った僅かな水を飲み干した。

「最近は血の気の多い輩が多い。…哀しいもんじゃのお、世界は大きく変わったというのに、そこにいる人間の本質と言う物は、何一つ変わらないのだから。」

老人は肩を落としてそう言った。今の人の在り方に嘆いて。最早人間の闘争本能とは、欲望とは、世界が変わるだけではどうにもならないのか、と。

「だったら俺が変えてやるよ。じっちゃんがそんな顔をしなくて良い世界に。」

少女は立ち上がって、老人に宣言する様にそう言った。まるで一振りの剣の様に真っ直ぐな、聳え立つ巨木の様に芯の通った言葉だ。それを一言で例えるならば、「希望」と言うのだろう。

「大きく出たのう。水を分けてやった甲斐があったか。」

ここで、老人は初めて少女に笑顔をみせた。憂いが身体から抜け落ちた様な、心からの笑顔。それにつられて、少女も笑顔がほころぶ。
「じゃあ、俺はもう行く。じっちゃんも元気でな。」

「ああ。次にお前さんに逢うまでは、生きているとしよう。」

少女は日光を遮る為のローブを被り、老人に別れを告げる。老人もまた、彼女に再会を誓い見送った。

「さて、とりあえずはじっちゃんの眼の前の不安を取ってやらなきゃな。」

少女はそう呟くと、肺に空気を一杯に吸い込み、吐きだすと同時に獣の様な大声を上げた。



「来い、ガンダアアアアアアアアアアアムッッッ!!!!!!!!!」



彼女に呼応するように、その白い巨躯は砂の中から彼女の眼の前に現れ、そして跪く。彼女を自らの搭乗者として受け入れるために。
乗り込んだ彼女は機体の灯を入れ、砂漠に立ち上がらせる。全てのシステム、推進機、関節、センサー、武装は正常。何時でも全力で臨む事が出来る。彼女は向うべき戦場を見据えた。

「一緒に行こうぜ、ピクシー!!」

自らの愛機の名を高々と叫ぶと、意気揚々と戦場へ飛び込んで行くのだった。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん