G Generation Guardian
「なぁ、不躾な質問で済まないが、アンタは何モンだ?俺達を助けてくれるのか?」
詮索をしても埓が開かないと思い、代表してロウがオープン回線でガンダム・ピクシーに対して問を投げ掛ける。
「最初の質問には答えられないんだ、ごめん。でもアンタ達に助太刀するのは確かだぜ。どう見たってあの虫が「悪」だろ?」
ガンダム・ピクシーのパイロットはそう答えた。言葉使いこそ男勝りであるが、その声色は正しく女性…いや、少女のものだった。正体や所属を明らかにしないのは気がかりであるが、今は少しでも味方が欲しいところだ。細かいところを追及する時間はない。
「「悪」か…そこまで物騒な考えは持って無いが、あのマシンにこんな事をさせるヤツは許せねえな。手伝ってくれるなら大歓迎だぜ。」
「アンタ、面白い事言うんだな!じゃあ手始めに、オレとピクシーの力を見せてやるぜ!」
ロウの言葉に対し、気に入ったのか少女は声を弾ませてそう返した。彼女は改めて、敵MAの大群を見据える。こうして会話している間にも反応は増え続けている。しかし、彼女がそれに慄くことは無かった。この「逆境」とも言える状況に対し、心を熱く燃え上がらせていたのだ。
「オレ達の晴れ舞台だ!飛ばせ、ピクシーッッ!!!」
彼女は固く操縦桿を握り、背部のブースターを最大限に吹かし突貫する。敵MAはそれに対し、迎撃行動として自らの砲塔から次々と火を噴いた。
「そんなもん、止まって見えるぜッ!」
だが、彼女とピクシーは降り掛かる鉄の雨を物ともしない。襲い来る弾丸はマシンガンの斉射で互いの弾丸をぶつけ、砲弾が迫ればビームダガーを展開し、瞬時に切り裂く。洗練されたその動きは「戦闘」ではなく「演舞」を舞っているようにも錯覚する。そしてピクシーは、瞬く間に距離を零まで詰める。
「覚悟しな!!」
彼女はそう言い放ち、ピクシーの両腕にビームダガーを携えさせた。彼女の感情に呼応するように、ピクシーのツインアイが輝く。一機、二機、三機…敵MAの急所を確実に貫き、切り裂いてゆく。彼女の豪快な正確に反した、精錬され、迷いの無い攻撃だ。そして…
「であぁぁああ!!」
気合を込めた一撃で最後の一機を斬り伏せる。無残な骸と化したMAに対し、ピクシーは傷一つ損傷していない。機体性能もあるが、彼女の操縦技術がそこまで高いということだ。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん