G Generation Guardian
『どうやら一件落着って感じだな。じゃあ、俺はこれでお暇するぜ。』
ピクシーを駆る少女は事態が収束したことを確認すると、足早にこの場を去ろうとする。
「有難う。君がいてくれて助かったよ。…差支え無ければ、名前は?」
『私の名前は__ ____ _だ。』
「…何だって?」
彼女が名前を名乗っている時間のみ、電波障害が発生し言葉が途切れた。レオスは急ぎ聞き返すが、今度はこちらの言葉が届かなかったのか、彼女はピクシーを自らが赴く方向へと変える。
『じゃあ、縁があったらまた会おうぜ!』
彼女はそう言い放ち、愛機と共に去ってしまった。結局姿も名前も、機体の正体も謎のままであった。
『何とか事なきを得たようね、ロウ。』
レッドフレームのコクピットに、再びプロフェッサーからの通信が入る。
「ああ、助かったぜ。けど、もうレッドフレームのバッテリーが心もとねえんだ…。指定されたポイントには行けるかどうか…。」
先程までの戦闘で、レッドフレームのバッテリー残量が大幅に減少し、これからの旅路に影響が出る可能性を伝えた。他の機体は別の動力源、別の技術で建造されている為に、外部の電力の補給を行うことが出来ない。
『それなら心配は要らないわ。“お迎え”は用意しておいたから。』
「お迎え?」
ロウが不思議そうに首を傾げた直後、機体の真上に突如として反応が現れる。
《真上に戦艦クラスの熱源を感知!!大きいぞ!!》
[8]も慌てた様にアラームを鳴らし、自身のディスプレイに大きく文字を表示した。
自身の上空に現れたのは、巨大な光の帆を掲げる戦艦。ロウが拠点としている“リ・ホーム”とは全く違う。遠い昔の大航海時代で見られたような船が、そのまま宙に浮いているイメージだ。これには流石の彼も開いた口が塞がらない。
「プロフェッサー…これが?」
『ええ、他の機体も連れて行きなさい。あれはG GURDIANが保有する「アルトリウス」。そして彼等こそ、この世界の希望よ。』
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん