G Generation Guardian
この後、ロウはプロフェッサーが指示した通りに他の機体を誘導、4機のガンダムはアルトリウスへ着艦する事となる。
「艦自体も中々だが、格納庫も広めに設計されてるな。」
自分の機体をハンガーへ歩ませながらも、ロウは忙しく辺りを見回す。見たことも無い艦に乗ったのだ。そこには見たことも無いメカがきっとあるに違いない。彼の関心は常にメカへと向いている。
「プロフェッサーの知り合いみたいだけど、本当に大丈夫なのかな…。」
樹里は反対にまだ未知の艦に対しての不安が拭い切れておらず、その身を小さく縮こませている。臆病ととらえる人間も多いだろうが、好奇心に手足が生えて歩いているようなロウにこそ、彼女の様な存在は無くてはならない者なのだ。
《フリーダム、ジャスティスを確認。他にもZ.A.F.T.のインパルスと思われる機体が一機。残りは該当無し。》
「おいおい、どういう事だよ…。」
[8]はレッドフレームのメインカメラを通した機体照合の結果を映し出す。フリーダムとジャスティスは言わずと知れた名機。しかし何れにしてもロウが知る限りはまだワンオフの機体である筈だ。それに最新鋭機であるZ.A.F.T.のセカンドステージの機体があるのも気掛かりである。更にはまた見たことのない機体が幾つか並んでいる。流石のロウもこれには困惑せざるを得なかった。
「俺等はCBに合流したいだけなんだが、どうもすんなりといかねえな。」
ブレイドは一つの溜息と共に、そう言葉を吐き出す。変な世界に着いたと思ったら襲撃され、その後用心棒を経て旅をし、誰の物とも知れぬ艦に乗り込む事になってしまった。
日頃の行いが悪いせいで神が罰を与えたのかと、普段は神も信じないブレイドもそう思わずにはいられなかった。
「それやったらさっきの娘みたいに出て行ったらよかったやん?」
「お前も分かってんだろ。コイツ《エクシア》は半永久的に動く。だが俺等はそうはいかねえ。」
「せやな。それにCBの情報も欲しいしな。出ていくのはそれからでも構へん。」
CBは敵に知られぬよう介入時以外は隠密行動をとる。大まかな勢力図しか判明していないこの世界で、今持つ情報量と戦力でCBと合流する事は不可能に近い。せめて情報だけでも聞き出せるようにと、二人はロウの指示に従ったのだ。
程無くして4機はハンガーに固定され、パイロットは順次コクピットを解放して機体から降りる。彼等の前には艦長であるゼノン、副艦長のニキ、その脇を固める様に武装した搭乗員が並んでいた。特別な敵意は感じられないが、如何にもな歓迎ムードという訳でも無さそうだ。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん