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G Generation Guardian

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「「面ッ!面ッッ!!!」」

此処は京の街の中にある小さな剣道場。今日も多くの少年たちが一心に竹刀を握っている。
勝利を得る為。立派な精神を身に着ける為。健康の為。目指すものは様々であるが皆一様に真剣な面持ちで取り組んでいた。

「そうだ、力を緩めるな!迷い無く一点に竹刀を打ち込め!!」

少年たちの掛け声にも負けぬ、一人の若い男の声が道場に響き渡る。彼等は互いを共鳴させるようにして、己の気持ちを熱く滾らせていた。

「よし、今日はここまで!!」
「「ありがとうございました!!」」

男の一声により、本日の数時間に及ぶ稽古は終了となった。少年たちはへたり込み、それでいながら全力を出したことに満足した表情を浮かべていた。

「皆水分補給を忘れるんじゃないぞ。汗もしっかり拭いておけ!」

運動を行った後の身体は多くの水分を失い、発汗により体を冷やす。体調の変化が著しい少年らを気遣い、男は声をかけていく。少年たちは各々帰りの支度を進めていくが、そのうちの一人がこんな事を言い出した。

「そういえば、先生の本気の打ち込み、見たこと無いなぁ…。」

それを聞いた少年たちはそうだな。確かに、と言った声から始まり、

「「見せて下さい!!」」

という懇願に発展した。男はまだここに来て日が浅く、指導で行うゆっくりとした打ち込みしか見せた事が無かった。

「見るのも一つの修練か…。いいだろう。」

男は申し出を許可し、倉庫から打ち込み台を一台、道場の中央へと設置する。
少年たちは既に体育座りで男が打ち込むのを心待ちにしている。曇りない瞳が男を見詰めていた。

男は打ち込み台の正面に立つと、竹刀を握り、打ち込み台を見据える。先を射抜くような男の眼差しに、少年たちは息を呑む。

「ハァア、メェェエンッッッ!!!!!!」

男は咆哮し、打ち込み台の面に綺麗な一刀を叩き込む。
脚を動かし、腕を振り上げ、降ろす、単純に見えるこの動作であるが、その速さは少年たちの物とは比べ物にならない、正に「一瞬」で一本を取って見せたのだ。この相手が生きた人間であろうと結果が変わらぬことは少年たちにも容易に想像できた。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん