G Generation Guardian
「世の数、いや人の数だけ神は居ると謂う事かの。儂は仏教徒じゃがな。…烈火よ。」
「はい。」
「今日子ども等に見せた一振りの事じゃが…。何故一瞬“躊躇った”?」
師範の眼の光が鋭い物となり、烈火を貫く。
烈火は核心を突かれ、少し焦りの様な表情を現す。
「…矢張り見抜いておられましたか。」
「童などに自らの太刀筋を見せる必要は無い、と謂う訳ではあるまい。」
「某もまだ未熟であります。決してそのような事は。」
「そう、お前はあの子ども達に「戦の太刀筋」を見せることを躊躇ったのだ。」
「…。」
師範の言葉に烈火は返す言葉が無かった。
この御仁は自分の全てを見透かしている。丸裸にでもされたような気分だ。
「別に儂は超能力者でも何でもありゃせん。だが、お前の眼が告げておる。此処に迷い込む迄多くの修羅場をくぐり、多くの血を被って来たと。じゃが少なくとも、この町は、この国は平和そのものじゃ。その中で生きる子ども達に敵を討つ為に磨き上げた技を見せる事を疑問に感じたのではないか?」
烈火は今まで自分の過去を詳細に話した事は無かった。しかしながら師範は烈火の風貌や太刀筋のみで彼の人生までを読み取ってしまったのだ。歳の功だけが成せる技ではない。師範自身も己の人生の中で様々な人間と出会い、過ごして来たのだろう。彼の全ての経験がこの観察眼を生んでいるのだ。
「…正しく、その通りです。指導している子らは将来武士となるわけではない。恐らく多くが戦いとは無縁の生活を歩む事でしょう。その子らにとって、私の技は必要なのか。そう思ったのです。しかし、彼らの余りに輝かしい目を裏切れなかった。」
「なるほどのぉ…。じゃがな烈火よ。お前はその剣で多くの者を斬っただろう。しかしそれで護れた者もいるのではないか?人を活かす為に振るった剣。お前の真っ直ぐな志の下に振るわれる剣が不浄な物だと誰が言えようか。自らの家族、住まう家、国…これらを護り通さんという意思を伝える事は、子ども等にとっても良い影響を与えるだろう。…年寄りらしく説教がましいことを宣ってしまったのぉ、歳は取りたくないわ。」
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん



