G Generation Guardian
三機のMSが艦艇の格納庫に搭載され、ほぼ同時にコクピットハッチが開く。
艦艇のクルーが興味本位でこぞって格納庫に集まり、賑わいを見せていた。センナは素顔を秘匿出来るヘルメット着用で外に出る事を提案したが、ブレイドは「いるか」と即答した後そそくさとハッチを開き出てしまった。この異界に来てまで機密情報も糞も無いだろうというのが彼の言い分なのだろう。いや、ただ単に面倒なだけだったのかもしれない。
「…ガキまで居やがるのか。」
機体から降り立ち、ブレイドが最初に発した言葉がそれだった。集まった群衆を見渡すと、子供から齢六十は過ぎているであろう老人まで、様々な年齢層の人間がいることが分かった。これは何かの組織と言うよりは、コミュニティと言った方が正しいのかもしれない。
しかし、集まっている人間は無茶に騒ぐこともなく、ただこちらを見ているだけであった。警戒しているのか。機動兵器を携えた人間がいきなり助けてくれと頼んで来たのだ。このような状況になるのも無理は無いだろう。
「ええ加減に…せんかいっっ!!!!」
そう言い放ち、センナは機体のコクピットから飛び降り、その勢いでブレイドに踵落としを喰らわせた。不意の一撃だったからなのか、防御の体勢もまともにしていなかったブレイドはその場にうずくまり、文字では形容できない様な呻き声を上げる。
「ぐぁぁ…な、何しやがる…!」
「お前を人間やと思うたのが間違いやわ。今度マーケットで首輪でも買って繋いだるわ。」
「いきなり蹴りを喰らわすような脳筋女に言われちゃ世話ねえぜ。」
「どうやら一発では足らんかったか?この山猿。」
「手前ェ、覚悟は出来てんのか…?」
いつの間にやら一触即発の雰囲気が完成してしまい、周りの群衆も一歩引いてしまうほどであった。しかしその中、一人の男性が歩み寄り近づいてくる。それに気付いた群衆はすぐに彼に道を開け、口を塞いだ。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん