G Generation Guardian
「こんな歪に重なった世界になってもまだ、人間は戦いを忘れられんのやな…。」
センナは落胆した表情を見せながらそう言った。
彼女は自分の元いた世界の事と重ねていた。何十、何百年と、人類は己の覇権を勝ち取る為に戦い続け、ELS戦役という最大の危機を対話と言う形で乗り越えたにもかかわらず、
人類は銃を置く事は無かった。どこの世界でも人間の考える事は同じなのか、そう考えると憤りを感じずにはいられなかった。
「…地球とコロニーで戦争になってんのは分かった。なら、俺がやる事は決まった。」
「やる事、だと…?」
「戦争根絶!それが俺達の目的だ!戦争を仕掛ける奴等を片っぱしからぶっ潰す!!」
ブレイドは眼を見開き、艦長に向けてそう言い放って見せた。艦長は驚愕したようにブレイドを見詰めた。言いたい事がありそうではあったが、ブレイドの勢いに圧倒され、絶句している様子だった。
「…簡単に言うけど、私らはまだマトモな情報も得てないねんで?動きようがないやろ。」
と、艦長の代わりにセンナが横槍を入れる。
「何とかなんだろ。ここにゃ別の世界、時間から人間が来てんだろ。なら、いるんじゃねえか?」
「…大体分かったけど、自分本気で言うてるん?」
センナはブレイドの思惑を察し、また表情を曇らせる。なぜならば、彼の考えている事は確証は一切なく、もし「逢えた」としても面倒な事になるのは避けられないからである。そんな彼女をよそに、ブレイドは艦長に問いを投げた。
「オッサン、ソレスタル・ビーイングって知ってるか?」
「ソレスタル・ビーイング…ガンダムを保有する私設武装組織か。知ってはいるが、居場所までは分からんぞ。そんなことを訊いてどうする?」
「俺達もそのソレスタル・ビーイングなんだよ。ま、この世界にいるのがどの時代のソレスタル・ビーイングかは分からねえが。」
「何言っとんねん、アホ!」
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん