G Generation Guardian
「はぁ…ほんまにもう、ちょっと考えて物言ってや。」
「悪ィ悪ィ。結果オーライだろ?気楽にいこうぜ。」
溜息をつきながら苦言を呈すセンナに、そんなことを微塵にも感じないような快活な笑顔でブレイドは答えた。なぜこの様な人間がイノベイターに覚醒しているのか、センナには疑問で仕方がなかった。
「まあいいでしょう。そんなに暗い顔してると幸せが逃げていきますよ?」
「そうやけど…え?」
思わず声に反応して返答してしまったが、すぐにその声の主が自分の知る者の物で無い事に気づく。振り向くと、そこには齢17、8位であろう少年がいるではないか。
作業をしていたのか、着ているツナギや顔には汚れが付着している。浮かべている笑顔は爽やかなもので、人当たりがよさそうな印象を受ける。
「で、俺達に何か用か?生憎手持ちの金は持ち合わせちゃいねえ。セールスなら他当たれ。」
「そんなに冷たい事言わないで下さいよ、お兄さん!それに俺は別にセールしに来た訳じゃありませんし。」
「じゃあどういう了見だ?」
「いや、二人共市に興味があるみたいなので案内してあげようかなっと思っただけですよ。見ての通り広いですからね。」
少年は笑顔を崩すことなく、二人に市場の案内を申し出る。ここの勝手が分からない二人にとっては大変便利である事は間違いなかった。
「案内してくれるんは嬉しいけど…このアホが言うた通り見返りに合う物は持ち合わせてへんで?」
「構いませんよ!俺が欲しいのは物じゃありませんし。」
「物じゃない…?」
少年の奇妙な物言いに、センナは首をかしげ疑いの眼差しを向ける。
すると、先ほどまで爽やかな印象を漂わせていたものが徐々に崩れ始め、気持ち悪い笑みを浮かべながら小刻みに呼吸し始めたではないか、そして少年は声を震わせながらセンナにこう言った。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん