G Generation Guardian
「が…ガンダム!!」
『此処の喧嘩は俺等が引き受けた!あんたは他の所に行け!!』
「ああ…!」
男は言われるがままに機体を動かし、その場から離れる。ブレイド達の前方にはまだ敵機が迫っていた。大体10機弱であろうか。無人機体など、この前の軍の集団よりも劣る。屠るには5分も掛からないであろう。
「さあいっちょやるか…」
[Change Pirot]
「!?」
さあ、今こそ戦おうと言ったところで、操縦の主導権をセンナに握られる。この機体はリアルタイムで操縦者を交代できる機能が備わっている。格闘戦はブレイド、射撃戦はセンナが担当しているのだ。いきなり操縦権を奪われ、憤慨した表情でセンナの方を向いた。
「手前ェ…何しやがる!!」
「私なら3分も掛からん。アンタはそこで見とれ。」
「…チッ、勝手にしやがれ。ヘマすんじゃねえぞ。」
「わかっとる。」
操縦権を自分の物としたセンナは先ほどブレイドが串刺しにしたGNソードを引き抜き、ライフルモード、いや「GNビームマグナム」に変形させる。形状こそはソードライフルを大形化させたかの様な見た目であるが、威力と命中精度はそれを大きく上回る。しかし、取り回しがいい訳ではなく、センナの技量をもって初めてその本領が発揮される。センナは敵を見据え、一度大きく息を吸い込んで操縦桿を握った。
「さぁ、何処を撃ち抜かれたい?」
そう呟くと同時に、エクシアブレイズは先ほどまでとは比較にならない程の速度で敵へと接近する。そして敵の懐へ飛び込み、黒い銃口を向けると淡々とした口調でこう呟いた。
「ま、機械にリクエストも糞もあらへんか。」
その瞬間、GNビームマグナムが火を噴き、一瞬で敵機の腹部に風穴が開く。自律回路を焼き尽くされたMSは動かぬ人形と成り果て、その場に力なく伏せる。
「お前等も去ね。」
エクシアブレイズに反応し、銃口を向けた時には既に遅く、腹部から頭部にかけて大きな風穴が幾つも開けられていた。不利と考えたのか、残りの数機は背を向け撤退を始めた。しかし、センナがそれを見逃す筈もなかった。
「弾を粒子圧縮から実弾に変更。…逃がさん。」
GNビームマグナムのリボルバーが稼働し、実弾が一発ずつ装填される。センナは敵に照準を定め、引き金を引いた。
『…?』
確かに、弾は命中した。しかし、敵機に主だった損傷があるようには見えず、撤退を続けた。
「言うたやろ、逃がさんて。」
『…!?』
そうセンナが言い放った後、二機は突然爆発を起こした。いや、正確には彼女が弾を撃ち込んだ箇所が急速に膨張し、それに耐えきれず爆発を起こしたのだ。GNビームマグナムの弾頭には超高圧縮されたGN粒子が内包されてあり、目標に撃ち込んだ後粒子を解放、爆発させる代物なのだ。欠点としては有効射程の短さと弾頭自体が高コストな点が挙げられる。
しかし、この弾頭数発で艦艇に致命傷すら与える事が出来るという、威力だけで考えると破格の物なのだ。
宣言通り三分以内に全滅させたセンナに、ブレイドは溜息と共に一言呟く。
「これじゃあどっちが外道か解りゃしねえ。」
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん