G Generation Guardian
「とぉりゃあああ!!!!」
『!?』
この戦場に、もう一つの赤いガンダム―――――レッドフレームもまた、逃げ惑う人々を守る為に自らの刀「ガーベラストレート」を振るっていた。もう10機程度は切り捨てただろうか。しかし一向に敵の軍勢が減る気配がない。
「何なんだよこいつ等…斬っても斬っても全然減らねえ…」
『むしろ反応は増大!この現象は何だ?』
操縦席で滴る汗を拭うロウの横で、彼の相棒である「8」は戦況を分析する。彼にデータを表示し、自分達が絶対的なピンチである事を現していた。しかしそんなことはロウ自身にも解っている。なんとかならないものか、自分は宇宙一の悪運を持つジャンク屋の筈だ。活路は必ず見つかると、頭を巡らせていた。しかし、彼らに更なる危機が迫る。
『!!!後ろに反応!!斬りかかってくるぞ!!』
「何ィッ!?」
突如として現れた黒い無人機体は、レッドフレームのすぐ後ろにあり、今まさにビームサーベルで斬り掛かろうとしていた。
「俺の悪運が…此処で終わる筈がねえッッ!!!!!」
ロウは希望を捨てることなく、レッドフレームにガーベラ・ストレートの抜刀をさせようとする。しかし、速度は相手の方が迅い。万事休すか…
「そうだ、ロウ・ギュール!俺が終わらせないッ!!シャアアイニングゥ!!!バンカアアアアアアア!!!!!!!!」
『!?』
天駆ける流星の如く現れた機体が、黒いMSに向け突貫し、必殺武器を見舞う。その速さに反応しきれなかったMSは成す術無くその技によって撃破された。敵機を握壊させた赤い機体は放熱処理を行い、各部から蒸気を噴出する。
「ありがとうな、兄ちゃん。何てマシンなんだ?そいつは。」
「気にするな。こいつはエクストリームガンダム・ゼノンフェイズ!俺の相棒だ!それより次が押し寄せているぞ!」
青年、レオスが機体で指さすその先には、死神の列とも形容できる黒いMSの群が現れていた。
「こいつをたった二機だけで倒すのか…こいつは骨が折れるぜ。」
『じゃあ三機ならどうだ?』
群がる敵の多さに、思わず弱音を吐いてしまったロウに対し、通信で男の声が入る。すると、背後からまた赤いガンダムタイプが現れたのだ。艦艇の格納庫で見た、もう一機のMSだ。使われた技術が自分のレッドフレームと違うのは明らかであり、正直興味を持っていたMSだ。そういえば少し電波状況が良くない。何故だ?とロウは疑問を持った。
「ガンダムエクシア!ブレイドか!!」
「気易く呼ぶんじゃあ…待て、お前そんなキャラだったか?」
「問題ない!俺はいつも、赤く燃えているううううう!!!!」
「(うわ暑苦しっ。…関わりたくないわぁ)」
エクストリームガンダム特有の「性格変化」の様子を見て、センナは生理的に受け付けないといった表情を浮かばせていた。因みにレオスの後に座っているセシアも、レオスのあまりの変貌ぶりに言葉が出ないと言った状況に陥っていた。
「何機来ようと同じだ!俺が全部まとめて地獄に叩き落とす!!!」
「いいや、悪を全て叩き潰すのは俺だッ!!!」
「じゃあいっちょやってやろうぜ、8!!カレトヴルッフ、リミッター解除だ!!!!」
『合点承知!!』
エクストリームガンダムがシャイニングバンカーを展開し、エクシアブレイズがGNソード[シュナイダー]を展開。レッドフレームもまたフライトユニットに懸架したカレトブルッフを大剣モードに移行、戦闘用にリミッターを解除する。
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」」」
機体は三人の咆哮と共に瞬時に加速。敵の大群へと突貫した。
この戦いを見た者は後にこう言った。
「あそこには黒いMSよりも怖い戦鬼がいたよ。どれも赤いガンダムタイプだったね。文字通り迫りくる敵を千切っては投げ…本当に凄まじいもんだった。でも不思議だね。その時俺は逃げようとは思わなかった。…何故かって?そりゃあアンタ、あんな漢達が戦っている所を見せられて、俺の身体も反応しちまったんだろうよ。正しく、「本能」ってやつにな。」
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん