G Generation Guardian
「何処だ…何処にいる!!」
≪お前は、誰だ?≫
「!!」
突如、頭の中に聲が響いた様な気がした。今まで経験したことのない、異常ともいえる感覚。少年は計器を再び確認する。すると、たった一機のみ、MSの機影を捉えたのだ。それはすぐに肉眼で確認出来る様になった。両肩の赤いスパイク、二刀の実体剣、そして一つ目が少年の眼を引き付けた。自分の中の何かが告げている。「逃げろ」と。しかし、今の少年に下がるという選択肢は存在しなかった。この機体を先に行かせれば、確実に全員が殺されてしまう。何故かは解らないが、そういった確信があった。少年は息を呑みこみ、敵を見据えてから、操縦桿を前に押し出した。
「うわああああああ!!!!!!」
少年は叫んだ、自分の中に迫る恐怖を、少しでも掻き出すために。鞘に仕舞っていた大振りの実体剣「夜叉」を引き抜き、一つ目の機体に果敢にも立ち向かう。
「気迫はいいが…若いッッ!!!!!!」
だが、相手は少年の太刀筋を読み取り、二刀の実体剣をもって完全に勢いを殺す。二機の間には、大きく火花が散った。少年は刃の届かなかった剣を握り直し、再び斬り掛かろうとする。
「そして単調だ。」
一つ目の機体の男はそう言うと、機体の脚部に装備している弾頭を発射する。
「なっ!!」
一撃を入れることに夢中になっていた少年は不意を突かれた攻撃への反応に遅れ、まともにそれを受けてしまう。しかし、弾頭は大きく爆発せず、その代わりに黒い煙幕が自分の機体を包んだ。
「な、何だよこれ…!」
視界を奪われ、思考が混乱状態に陥る。どこから攻撃が来るのかが解らない。とめどない恐怖が、少年の精神を支配した。
「くそおおおおお!!!!!!」
少年はひたすらに武器である実体剣を振るう。しかしそれは空を切るばかりであり、手応えなど微塵にも感じる事は無かった。
「お前もそんなものか…なら、貰うぞ!!」
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん