G Generation Guardian
「俺にもまだ油断があったか。…もう手は抜かん。」
[EXAM SYSTEM STANDBY]
男は一つの特殊機能を起動させた。「EXAMシステム」対ニュータイプ戦用に開発された、特殊殲滅システムの一種である。少年はその瞬間、機体から更なる憎悪の塊が噴き出すのを身体で感じた。
「何をしたんだ…!?」
「この「イフリート改」の本領を受けて貰う!!!」
男は一つ目のMS、イフリート改を最大限に加速させ、ガンダムXに攻撃を仕掛ける。先程とは比べ物にならない挙動で距離を詰めて来る。しかし、少年もそれに対応し、実体剣を構え刃を切り結ぶ。鈍い音と共に、激しい火花が幾度も散っていた。
「なんて速さとパワーだ!本当にさっきまでと同じ機体なのか!?」
少年はイフリート改の動きが劇的に変化した事に動揺する。今は対応出来ているが、いつ関節に限界が訪れるか、スラスターに限界が来るかが解らない。しかし、どちらにしても時間の問題である。
「こちらは片腕だぞ?それで俺を斬るなど…笑わせる!!!」
「何を…ッ!はああああああ!!!」
ガンダムXとイフリート改は全く譲ることなく、互いの刃をぶつけ合う。そして遂に鍔迫り合いとなり、二機の間が限り無く近くなる。一瞬の油断も許されないこの時に、少年は敢えて男に問いを投げた。
「何で俺達を襲った!!目的は何だ!!…なぜ皆を殺したああああ!!!」
「それを応える義理は無い。…?チッ、無粋な。」
激昂する少年をよそに、男はコンソールに表示されたメッセージを読み、一言悪態をついた。そしてもう一度、敵であるガンダムの方へと視線を戻す。
「お前の名は何だ。」
「俺はレイ!レイ・シュターズン!!!俺はお前を…!!」
「…そうか。俺は叢[ムラクモ]だ。次に相見える時を楽しみにしている。」
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん