G Generation Guardian
「…ブレイドさんですか。別に何もしてませんよ。」
レイは言葉には応えたものの、どこか上の空と言った様な感じで消えゆきそうな声色をしていた。
「…何か嫌なことでもあったんか?」
センナの一言に、レイは瞼を開き身体を硬直させる。言おうか言うまいかは迷ったが、抱えるかはマシか、とその口を動かすことにした。
「友達が殺されました。あいつ等に…体中ぐちゃぐちゃで…。今でも信じられませんよ。いっつも一緒に馬鹿やって、昨日まで楽しく笑ってたのに…全部アイツに…アイツに持って行かれた!!!俺が…俺達が一体何をしたって言うんですか…!!でも一番腹が立つのが自分で…仇も討てなかった!俺が弱いから!!」
口を動かし、言葉を紡ぐたびにまた涙が溢れ、声が震え、止まらなくなる。戦いを終えた今、改めて悔しさと悲しさがこの身にこみ上げてきた。それを見たブレイドは、少し昔の事を思い出していた。この少年と同じくらいの歳にテロに会い、友や師を失った事。その他にも多くの命が散って行ったこと。腕の中の命すら、救えなかったこと――――。
埋没された記憶がつい昨日にあった事の様に感じられた。
「男がめそめそ泣くんじゃねえよ。」
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん