G Generation Guardian
一話・「馬鹿がガンダムでやって来る」
物語の始まりは、「地球」の荒野。
その中で只一機、凄まじい衝撃と共にこの「Generation_World」に墜ちて来た紅い「ガンダム」。
そして…
「痛っ…。まだ視界が定まらねぇ…。まさかくたばってねえだろうな、“センナ”!」
一人の青年と、
「さっきまで伸びとったお前に言われたないわ、ドアホ!!水でもぶっかけたろか、“ブレイド”!」
一人の少女から始まる。
聴いての通り、荒々しさが見える口調で話す青年が「ブレイド」。そして、コクピットの後部シートに座り関西弁を流暢に操る少女が「センナ」である。当然ながら二人の名前は「コードネーム」。本名では無い。
「んだとクソ女!今にその減らず口を減らして…!」
ブレイドは自分が持つ苛立ちの感情を吐き出そうとするが、それを阻むかの様にコクピット内に警告音が鳴り響く。一瞬センナに向けた視線を渋々正面に戻すと、レーダーに幾つかの熱源反応が確認できた。
「ニャハハ!どうやら敵さんみたいやなぁ、ブレイド?♪」
センナは「残念だったな」と言わんばかりの笑みを浮かべブレイドに言葉を返す。
「チッ…覚えてやがれ!」
セ ンナの自分を煽るかの様な態度に更なる苛立ちを覚えるが、物事の優先順位が解らぬほどブレイドも愚かでは無い。遊ばせていた手で操縦桿を握り直し、衝撃で 落ちていたシステムを再び立ち上げていく。センナもレーダーやコンソールを駆使し、敵機と思われる機体の数、機種を調べ上げる。
「「アヘッド」…“まだ”あったんやな。連邦軍の再編でお役御免になったと思てたわ。」
「そんなこたぁどうでもいい!敵なら叩き斬るだけだ!!」
自分の苛立ちを解消することが出来る対象を見つけ、ブレイドは今にも機体を最大加速で突貫させそうな勢いでいた。彼の根底に沸き起こる闘争本能から起こる戦 闘衝動はそう簡単に止められるものではない。しかし、流石に彼もイカレタ戦闘狂と言うわけではない。「敵」と「味方」…この二つだけは自分の中ではっきり させている。彼が理不尽で圧倒的な暴力で叩きのめすのは「敵」だけである。「正義」や「理想」など関係ない。自分に刃を向け、道を阻むものは全て彼の敵な のだ。今は衝動を紙一重で抑え、襲い掛かるであろう敵をどのように斬り伏せるかを思案する。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん