G Generation Guardian
「じゃあ、これ全部このメモ通りに搬入しておいてね。頼んだよ?」
「これって…」
ノーマルスーツを着用した二人が移動した先は、事務所とは少し離れた位置にある資材搬入口である。そこには幾つものコンテナに分けてサナリィからの資材が積まれていた。MSですら隠れてしまいそうなこの量を一人で搬入しろと、ヒロトはフォントにそう言ったのである。フォントは再び言葉を失うが、「有り得ない」といった表情を露にしていた。ヒロトはフォントの貌を見て噴き出しそうになるのを必死に押さえている。
「じゃ、じゃあまだ俺は「仕事」があるから、お願い!」
それだけを言い残し、ヒロトはこの場を去ってしまった。只一人残されたフォントは茫然と立ち尽くすのみである。
「この大きなコンテナじゃあ人間の力で運べる訳がないよな…仕方ない、“ファントム”で運ぶかぁ…」
フォントは肩を落としながらMSハンガーに自分の乗機を取りに行く。古びた作業用MSの端に懸架されている、「亡霊」の様に怪しげな雰囲気を放つ緑色のMS。それが「ファントム」と呼称される機体だ。彼は早々とコックピットに移動し、ハッチを開ける。
「早く済ませないと…」
「それでね、カーティスが…あ、フォント!」
『ご主人様!何か御用ですか?』
「!…ベル!ハロロもどうして中に入れたんだ!」
コクピットの中にいた少女の存在にまたも驚かされ、自分が制作したAIである「ハロロ」に事の詳細を訊く。
『すみません…どうしても開けてほしいと言われたものですから、つい…』
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん