G Generation Guardian
「フォント!…あれは、何!?」
「そんなの…こっちが訊きたい位だ!」
俺の横に居る女の子を護る為には戦うしかなかった。不幸中の幸いというか、ファントムの整備は万全だったために直ぐに操縦に応えてくれた。でもそれで解決する訳じゃない。なんせ、コイツのトラの子の機能≪ファントムライト≫が使えないのだから。15分だけだが、ミノフスキードライブ・光の翼を全身のIフィールドで制御して劇的な性能を発揮する切り札。ただこれはあまりにもこちらに負担が掛かる。ベルの事を考えると、これを使う事はためらわれた。そしたら当然、俺の腕じゃあ追い詰められる事になる訳で…気が付けが後は巨大なデブリ。4体のモンスターは未だ健在。最悪の状況と言うわけだ。
「(フォント…どうする!?最悪ベルだけでも逃がして貰える様にするか?でもそれが出来る保証なんて何処にも…!)」
そんな時、絶体絶命のピンチを救ったのは、眼を疑う様な機体だった。まるで海賊の剣の様なビームサーベル。はためくマント。背部に装備されたXを形作るスラスター。そして何より目を引くのは胸に掲げられた髑髏のレリーフだ。俺は確実に、その機体の存在を知っていた。しかし有り得ないのだ!俺の知っている時代に、この機体が「動いている」のは!
俺の混乱など知る所も無く。その髑髏の機体。そして、その機体の量産機のカスタム機(自分で言っていてややこしいな…)は瞬く間に怪物を討伐して見せた。自分があそこまで苦戦していたのが馬鹿馬鹿しくなる位に。
『おい、大丈夫か?』
髑髏の機体から通信。ヘルメット越しではあるが、見えた顔は幼く、ベルと同い歳だと言われても驚きはしない位だ。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん