G Generation Guardian
「何!?」
「…どうした?ネロ。」
あのヒロトもリトルグレイに搭乗し仕事に同行するとは思わなかったため、ネロは驚きの表情を露にする。勿論、この事実はネロにとって不快でしかなかった。
「どうしたんだ?ネロ。ヒロトさんと何かあったのか?」
「いや、何でもないよ。早く行こう。」
期待と不安、半分ずつ背負いながらも、ネロとトビアはリトルグレイへと搭乗した。
“リトルグレイ”での移動中。暇かと思えばそうでも無く、積荷の中身の確認作業などに駆り出され、ネロにはほぼ休む暇が無かった。因みに積荷であるコンテナの中身は食料、日用品、そして家畜の食料と思われる植物であった。しかし驚いたことに、積荷の半分以上がその植物で埋め尽くされていた。ネロは他の乗員に確認を取ったがミスではないらしい。自分はどのような所へ連れて行かれてしまうのか、彼は微かな不安を覚えた。
作業が終わり、食事を摂った所で艦内放送が流れた。どうやら目的地に到着したらしい。近くの窓から外を覗いてみると、目の前にはコロニーが映っていた。しかし、建造途中、もしくは欠陥があったのか、自分が知るコロニーよりも歪な形をしていた。やがてコロニー側のゲートが開かれ、リトルグレイへ誘導灯が灯される。艦はそれに沿って少しずつ進み、ゲートの中へと入って行った。
艦艇用の収容スペースまで進んだ所で艦は静止し、固定用のアームと接続するため少しずつ艦を下ろし、少しの振動と音と共に固定された。艦はエンジンを停止させ、乗員用のハッチを開放する。ここでまた艦内放送が響き渡った。
『今からコロニーへの搬入作業を始めるよ!MSのパイロットは格納庫に、それ以外の人間は乗員用のハッチから降りて積荷を下ろすんだ!では始めッ!』
「…行くか。」
放送を聞いたネロはその場を後にしてMSの格納庫へと向かった。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん