G Generation Guardian
「すっげえ…。こんなコロニーが存在したのか…思い出すな、三年前を。」
トビアもまた、その景色に感慨深いものを感じていた。三年前、木星帝国と宇宙海賊・クロスボーン・バンガードが壮絶な戦いを繰り広げていた頃である。トビアは地球に降り立ったことがあった。ちょうどこのコロニーの様な広大な森だ。そういえば、「死の旋風隊(デス・ゲイルズ)」と衝突した事もあったか。彼らは今どうしているのだろう。それ以前に、「この世界」にいるのだろうか。そんなことを考えていた。
「フォント、ネロ、ヒロトさん、準備はいいか?いくぞっ!」
思考を一旦止め、自分の今やるべき仕事を優先することにした。操縦桿を握り、背部のスラスターを点火させる。そうして四機は勢い良くコロニーの空へ飛翔した。
「ここまで緑が広がっていると、本当に人が住んでいるかも疑わしい… 」
ネロは目の前に広がる森林に圧倒されながらも飛行を続けていた。地球にこれがあればまだしも、これが全て人の手によって形成されていることが驚きだ。自分のいた世界ではとてもこのような不可思議な光景は見られない。程なくして、目的地である集落へと到着する。住居や商店らしき物は見受けられるものの、その全てが木造と思われ現在ある様な鉄骨とコンクリートに固められた住居は一つも見られなかった。まるでこの集落すらも森の一部だと思えてくる。
機体を徐々に降下させ、脚部を地面に付けると続いてコンテナを下ろす。すると住居から人間が出て来たため、自分もコクピットハッチを開き降りていく。するとどうだろう。通常のコロニーでは決して体験する事の出来ない「空気」がそこにはあった。木々や動物の臭いが入り交じり、正直いい匂いとは言い難いが、不思議と悪い気は起きない。
「!!…ちょっと待って!何なんだこの臭い!!なんでネロ君はあんなに平気なんだ…!?」
…若干一名、ヒロトを除いてではあるが。
「黙っていろ。貴様の声を聞くだけで虫酸が走る。」
「酷いっ!?」
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん