G Generation Guardian
「ええい、墜ちろ!」
エクシアブレイズが接近戦主体の機体である事は2307年のエクシアのデータで見当はついていた。ならば近づけなければいいと、敵機はビームライフルを斉射する。
「気ィ付けや、なんか見たことないタイプもおるで。「緑の一つ目」…けったいなMSやなぁ。」
「関係無ェ!敵なら墜とすだけだ!!!」
セ ンナは一つ違和感を覚えていた。敵機のアヘッド、GN-X?、そして「一つ目」のMS…見るだけでも明らかに違う技術体系が使われている事が解る。噴射剤 と思われるものを使用している節があり、それどころか「疑似太陽炉」が存在していないのだ。ならば化石燃料だとでもいうのか?センナは黙りこんで思考を巡 らせる。しかしブレイドはその態度が気に食わなかったのか、一言声を掛けた。
「さっきも言ったぜ。敵がどんなMS乗ってようが関係ねえ。…今はこいつらをぶちのめす事だけを考えてろ!!」
「…解った。ブレイド!後方からも攻撃が来てる!」
ブレイドに喝を入れられ、センナは今の自分達の状況のみを見るよう頭に叩き込んだ。ブレイドの様に何も考えないというのも考え物だが、悠長に敵のMSについて思案している場合でないのも確かだった。
「…あいよ!!」
センナの警告に見切りのいい返事で答えると、機体を後転させるように動かし、襲いかかる攻撃を回避していく。敵兵がその挙動を見て驚愕の意を示した事は言うまでもない。
「コイツ…なんて運動性能だ!!」
「もう気は済んだかァ!」
ブレイドはこのまま機体に複雑な軌道を描かせながら敵機【GN-X?】に接近する。陽の光に照らされ、GNソードの刃が強く、怪しく、不敵に輝く。それはまるで敵の血を啜る事を心待ちにしている様にも見えた。
「「アロウズ」の名に掛けて、やられるものかよおおおおおおおおお!!!!!!」
自らを「アロウズ」と名乗ったその男は機体の装備であるGNランスでエクシアブレイズに決死の突貫を行う。
「でぇええええええいやっっ!!!!」
ブレイドは自らの咆哮と共に機体のGNソードを振るった。その一撃はGN-X?のGNランスを瞬く間に両断し、もう片方のGNソードは無防備になった機体を「縦一文字」に切り裂いてしまった。
「ガン…ダム…あああああああああああああああ!!!!!!」
戦う術を、生きる術を一瞬で奪われた敵兵はその悲痛な断末魔と共に炎に呑みこまれ、機体と共に散ってゆく。だがエクシアブレイズはそれを見届けることもせず、次の標的へ目を向ける。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん