G Generation Guardian
「本当ならば地球で住まわせてあげたいのですがネ…」
男は寂しそうな目を動物達の方へ向けながら話を続けた。彼も心中では自分と同じなのではないか…そうネロは思えた。
「そういえば、貴方達の格好も変わっていますよね。民族衣装かなにかでしょうか?」
「貴様、いつの間に…!」
どこから湧いて出たのか、今度はヒロトが男に問うた。彼の純粋な好奇心がこの質問を生んだのだろうが、どうでもいいことだろうとネロはそれにすらも苛立ちを見せていた。
「そうですね。私達の中には各国の先住民の子孫が多いので、動物と共にその文化も守ろうとこの格好をしているのデス。」
「成程、立派な精神ですね。僕にはとても真似出来ない。」
その答えを聞いて、ヒロトは営業スマイルと同じ笑顔で言葉を返した。返答自体もどのようにも受け止められるところがいけ好かないとネロは思った。
「そういえば、皆さん。この後予定等はありますカ?」
「いえ…俺の方は解りませんけど…」
男のいきなりの問に、トビアは困ったような顔をしてオンモの方を見る。彼女もそれに気づくと、男の方へ向いて返答する。
「別に無いよ。細かい配達は他の奴等に任せてるからね。」
「ならば、今日は「客人」と共に酒宴を催すつもりなのですが、ご一緒にどうでしょう?」
「いいのかい?私らだけで10人弱はいるんだけど。」
「構いませんヨ。宴は多い方が楽しい。」
「だったら、お言葉に甘えさせて貰おうかね…」
オンモは男の申し出を受け、ふと動物達の方を見る。無垢な瞳を輝かせながら動物達を見るベルとベルナデット。何とも微笑ましい光景である。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん