G Generation Guardian
時間を少しばかり遡る、まだブラックロー運送の一行がコロニーに着いた頃。ここはUE…いや、火星を拠点に連邦に戦線布告をした「ヴェイガン」の旗艦に移る。彼らはかつてのテラ・フォーミング計画の被害者とも呼べる存在であり、計画が頓挫したことにより連邦から、地球から見放された者達の子孫で構成されている。彼らは特殊な形状をした「セカンドムーン」と呼ばれるコロニーで生活を送っているが、コロニーの磁気・プラズマフィルターをも受け付けない時期嵐「マーズレイ」により人体に悪影響が及ぼされ、死病も蔓延してる。この世界へ迷いこんだと同時に、同じく火星のスペースコロニーを拠点とするC.E.世界の「マーシャン」と協力関係を結び、マーズレイによる死病の治療法を模索している。またヴェイガンは連邦打倒を諦めてはおらず、「もう一つの組織」との軍事同盟を築こうとしていた。
「木星帝国の返答はどうなっている?」
声を発したのは、仮面を付けた長髪の美青年。名は「ゼハート・ガレット」という。若々しい姿をしているが、実際は二十年以上のコールドスリープによってその姿が保存されていたのだ。既に彼には艦隊をも動かす権限が移譲されており、彼自身もMSで戦闘に出る。
「はい。「対話に応じる用意はある。歓迎する。」と。」
彼の言葉に応えたのはゼハートの副官である「フラム・ナラ」という女性士官である。華麗な外見とは裏腹に、自他共に厳しい軍人らしい性格をしている。
「そうか。この世界に迷い混んでから数ヶ月が経つ。木星帝国やマーシャンとの協力。我らにとってこの事が光明になれば良いのだが。」
ゼハートは艦の外を見つめながらそう呟く。その瞳は哀しみに満ちていた。その姿を目の当たりにし、フラムもまた胸を締め付けられる様な思いとなった。しかし、今する事は感傷に浸る事では無いと自身を律し、手に持っていた端末を確認しながらゼハートへ報告を始めた。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん