G Generation Guardian
「…流石だな、トビア・アロナクス。そして「クロスボーンガンダムX1 スカルハート」。」
「お前、本当にネロなのか…?それにクロスボーン、いや、俺の事を知っている?」
トビアはネロの豹変ぶりに驚愕する。機体の性能の高さもそうだが、卓越したMSの操縦技術には目を疑った。敵として相見えれば、自分すらも生きて帰れるかも怪しいと思える程だ。それに、ネロは自分の事を知っている。ブラックロー運送の従業員としてのトビアではなく、木星戦役で激闘を繰り広げた「宇宙海賊クロスボーンバンガード」としての自分を、だ。
「…騙していた事は謝罪する。だが、今は奴等を叩くぞ。」
ネロは反応を示したセンサーを見ながら、トビアにそう言った。既に敵の第二波が迫っているのだ。
「…解った。この後で話は聞かせて貰うからな!」
「了解した。」
会話の後、二機は最大加速でコロニーのハッチへと翔んだ。今の爆発で異変を察知したはずだ。恐らく一行は既にリトルグレイへ向かっただろう。
「待ってくれ、俺も…ッ!」
ダイキも後を追おうとしたが、先程の戦闘でダメージがあったのか、思うように機体が動かない。
「畜生、どうすりゃいいんだ…!」
《聞こえるか、ダイキ!!》
「!?…父ちゃん…!」
突然聴こえた声に、ダイキはそれは父の物だと確信して言葉を返した。しかし、彼の父は数年前に行方不明となっていた筈なのだ。そういえば、このガンダムの初回起動時にも父の声が聴こえた。やはり、何処かにいるのだろうか。ダイキはそう思わずにいられなかった。
《今から示す場所へ向かえ!》
そう聴こえたかと思えば、ガンダムの胸部は輝きを放ち、それはある場所へと伸びた。驚くことに、ヤクヤクが示した「流れ星」と同じ場所ではないか。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん