G Generation Guardian
子供に助けられたことに自分の不甲斐なさを感じたが、また彼らの「可能性 」も感じた。この混迷した世界でも変わらず突き進む子供達。世界はこのような存在を欲しているのかもしれない、そうネロは思うのであった。
「こいつで、最後だ!!」
木星帝国と戦闘を行っていたブラックロー運送…いや、海賊残党軍であるが、今最後の一機がファントムのビームライフルにより撃ち抜かれた。機体が爆散するのを確認すると、フォントは操縦桿から手を離し、今まで吸い忘れた分を取り戻すかのような深い呼吸をした。
『お疲れ様です!なんとか勝つことが出来ましたね!』
「そうだな、ハロロ。けどいきなり現れるなんて…一体何だったんだ?脱走兵を追い掛けるにしてはあまりに必死だったけど…?」
フォントの頭からは疑問符が絶えないが、それは「脱走兵」が解決してくれるだろう。スカルハートと木星帝国の脱走兵が接触する所を見ながらそう思った。
「お怪我はありませんか?」
スカルハートのコクピットハッチを開き、手を差し伸べたトビアはそう脱走兵に言った。その貌と躰を見る限り、成人女性のようだ。
「子供…?」
一方、話し掛けられた脱走兵はトビアを見て驚きの表情を見せていた。身長と童顔からか、トビアは子供に間違えられることが多い。またか…などと思いながら、トビアは笑顔を作り言葉を返す。
「子供はひどいなぁ。…あ、これでも今年で18、トビア・アロナクスです。」
トビアは脱走兵をこちらに引き寄せ、スカルハートのコクピットへ誘った。若干狭いが、二人乗りは想定されていないのだ。仕方あるまい。
「よし…これで帰艦を…」
そう言いかけた瞬間、コクピットの中に警告音が鳴り響いた。トビアは急ぎコクピットハッチを閉め、コンソールを確認する。
「今度は何だ…っ!」
それから現れたのは様々な勢力が保有するMS。しかしそれには黒の塗装が施されている。そして最後に現れたMSに、全員が目を疑う事となる。
_____全く木星帝国もヴェイガンも使えナイナァ!!
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん