G Generation Guardian
『ヒロトさん!今助けに…!』
ここで、フォントからの通信が掛かった。珍しくナイスなタイミング。こちらから掛ける手間が省けた。
「!!…丁度いい、フォント君。君はトビアと黒いMSを迎撃してくれ。狙いは知らないけれど、野放しにするのは危険だろう?」
『でも、ヒロトさんは…!』
「そう思うなら早くあのゴキブリ共を駆除してくるんだ。…俺もこのイカレた奴を相手にもつ確証は無い。早く!」
『くっ…待ってて下さいよ!』
通信を切ると、再びメタルクロスガンダムに向き直る。見れば見るほどクロスボーン・ガンダム《自社製品》に似ている。オリジナルを造りだした社員にとって、これほど屈辱的な事があるだろうか。
「仲間とのお別れは済んだのカ?」
「五月蝿いよ。それに俺の「商談相手」はそれ程ヤワじゃないさ。」
ヒロトは機体の体勢を立て直すと、再びヴァールハイトを構え直す。このイカレた人間(?)相手に勝てるかは判らない。しかし、そのまま殺られるつもりも更々無い。
「さあ、始めようか!」
「生体反応が無い?木星帝国じゃないのか!?」
襲い来る黒い機体を振り払いながら、トビアはそう言い放つ。
今まで見た事のない機体が、剣を、銃を此方へ向ける。あまりの急展開に、流石の彼も思考が追い付いていなかった。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん