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島を想う(宇宙戦艦ヤマト完結編の後)1

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  「こっちじゃ。」

医務室の隣の部屋に島は運ばれた。そこは佐渡の私室。

  「先生…」(進)
  「いいんじゃ…ワシがきれいにしてやりたいんじゃ…」

佐渡のつぶらな目から涙が落ちる。

  「ほれ…持ち場に戻れ…お前たちはまだ戦いの最中なんじゃぞ?」

進と相原はハッとした。

  「これからワープするんじゃろ?アクエリアスはこうしてる間も地球に
   向かっているんじゃ。島がヤマトを守った…お前たちはこのヤマトで
   戦うんじゃ。ホレ、行った!」

佐渡が厳しい顔で二人を見た。ユキは医務室へ入り消毒液などを持って佐渡の私室へ入ってきた。

  「行きましょう。」

ユキの眼は涙でいっぱいだった。ユキは進と相原を佐渡の部屋から出させると一度佐渡の所へ戻り進たちの所へ戻って来た。

  「どうした?」

進がユキに聞くと

  「医務室がいっぱいです、って…島くんを一人にしたくないけど…」

と、言って口を結んだ。ユキも辛いのだ…




進はユキの顔を見つめて相原に“行こう”と言って第一艦橋に通じるエレベーターに乗った。










アナライザーは座席を後ろにずらし操縦席にいた。

  「アナライザー、ごめんね、すぐに拭くから…そしたらもう少しずらして
   平気よ。待っててね。」

ユキが優しく声を掛ける。

  「ゆきサン、慌テナクテ大丈夫。ワタシ、しーと使ワナイ。」

アナライザーが首をくるくるしながらつぶやく。

  「わーぷぽいんとノ計算終ワッテル。モウスグわーぷ。ゆきサン座ッタ方ガ
   イイ。」(アナライザー)
  「ううん、少しだけ…3分くらいで終わるから。」

ユキは泣いているのを隣にいる進に見られたくなくて島の血を拭いていた。持ってきたタオルが真っ赤になる…

  (島くん…辛かったでしょう…ごめんなさい、気付かなくて…私が辛い時
   すぐに気付いてくれたのにどうして気付かなかったの?ユキのバカ!)

ユキは耐え切れず泣き崩れた。

  「ユキ、大丈夫か?」

進がユキを支える。

  「大丈夫…ごめんなさい…。」

ユキは涙を拭くと最後に消毒をして終わらせて立ち上がった瞬間目の前に青白い閃光を見た。