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島を想う(宇宙戦艦ヤマト完結編の後)2

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冬月は静かにドッグに着いた。


最初に負傷者が下艦しその後戦死者が下艦する。棺は静かに別の部屋に運ばれた。ヤマトのメインクルーも一緒に降りる。

重々しい気持ちで部屋に入り棺を並べ終ると別の扉が開き連絡を受けた遺族が入ってきた。誰もがハンカチを片手に涙を拭きながら入って来る。その中に見慣れた姿を見つけた。




……島の家族……




母はすっかりやつれ父親が肩を抱きながら歩いている…次郎が母の手をしっかり握っていた。ふと父親が顔を上げた時進と目が合った。

進は目が合った瞬間に頭を90度下げてしばらく動けなかった。進の行動にクルーが驚いたが島の家族を見つけ進と同じように頭を下げた。

  「…古代兄ちゃん?」

次郎が先に進に声を掛けた。進は何も言えず頭を下げたままだった。

  「ねぇ…僕の兄ちゃん……どうしてここなの?」

次郎は涙を必死にこらえていた。

  「古代の兄ちゃんが生きててどうして僕の兄ちゃん死んじゃったの?ねぇ?
   どうして?どうして兄ちゃんが死ななきゃいけなかったの?」

次郎の眼から涙が流れる。進は姿勢を戻して次郎を見た。

  「僕の兄ちゃん……いつもちゃんと帰って来てたのに…どうして死んじゃっ
   たんだよぉ…兄ちゃん!!」
  「次郎!」

次郎は進を何度も叩く。父親が次郎を止めようとするが母を支えているので止められない。すると進が次郎を抱きしめた。

  「ごめんよ…次郎…ごめん…」

進はそう謝りながら次郎を抱きしめた。進も涙を我慢できず次郎を抱きしめながら泣いていた。島の両親はその姿を見ながら涙を流している。

  「次郎…島を連れて帰れなくて本当にごめん…だけど…俺も…信じたくない
   あいつが俺を置いて逝くなんて…」

クルーも進と次郎をみて泣いていた。

  「ごめんよ…次郎。」

次郎は進に抱きついてわんわん泣いた。