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島を想う(宇宙戦艦ヤマト完結編の後)3

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  「もう…古代くん、ったら…。」

ユキは乱れた髪を軽く手でまとめると落ちているシャツを羽織り落ちている検査のシートを手に取った。

  「大丈夫だよ…もう、元気だから…今、証明しただろう?」

進がユキの手を引っ張って自分の所へ引き戻した。

  「だめよ…昨日、白血球、多かったんだから…。」

ユキがそう言っているそばからすでに進の手はユキの白い肌に吸い寄せられている。

  「ダメ、って言いながら…待ってたくせに…。」

ユキは何か言い返そうと思ったがその唇を塞がれた…








白血球の数値は平均値近くまで下がっていた…が、

  「油断すると上がっちゃうかもしないからもうしばらく点滴は続けましょう。
   今ここに10日分、あるわ。取り敢えず5日間は毎日してその後は様子を
   みながら打ちましょう。」

ユキがそう言うと

  「また夜点滴?」

進が面白くなさそうにつぶやくと

  「そうよ?我慢してね。」(ユキ)
  「夜ガマンしたから今我慢できなかったんだよね。夜抱けないなら今…」



進はそう言ってユキをベッドに運んだ。







いったいいつから体を重ねていなかったのかしら…

ユキは点滴を打ちながら寝てしまった進の顔を見ながら思った。

  (初めて古代くんに抱かれた時…暖かくて包まれるようで…嬉しかったな
   私に勇気がなくて一歩踏み出せなくて…)

時々ふと岡本やマークの事…暗黒星団帝国の戦いのとき、一人残された時の事が脳裏をよぎる事もあるが進の温かさがあったから今、乗り越えられている、と思う…

  (ヤマトに乗るよう勧めてくれた真田さんに感謝だわ。)







ユキは進の点滴を抜くと進の寝ているベッドに入りぴったり横について眠りについた。











  「ヨコハマに行こうか。」

進が朝食を食べながらユキに言った。

  「島の事があったから地球に戻って来てまだご両親に帰還の挨拶してない
   だろう?連絡、取ってると思うけど…やっぱり顔を出して安心させた方が
   いいんじゃないか?」

進の提案にユキは少し考えて

  「そうね…ちょっと電話してみるわ。」

ユキは母に電話を掛けた。

  「うん、私…メールだけの連絡でごめんなさい。……うん、やっと落ち着い
   たわ。……うん、大丈夫…まだ点滴してるけどね。えぇ…今日、行こう
   かな、って話してたの。パパは?……そうよね、仕事どころじゃなかった
   わよね。じゃぁ今日の夜、お邪魔するわ。パパにも伝えておいて。」

ユキは電話を切った。

  「夜はお母さんの手料理かな?」

進が嬉しそうに言うと

  「どうせ私は何もできませんよぉ~、っだ!」

ユキが拗ねるように言う。

  「ははは、別にユキはいいんだよ。料理したけりゃすりゃいいし買って来たって
   いいんだ。一緒においしく食べる事が一番おいしくなる素なんだよ。」

進が笑って言った事にユキは固まってしまった。

  「一人で食べる食事は味気なくって…兄さんの寮で食べた幕の内さんの
   弁当、うまかったけど一人で食べると寂しくてさ…訓練学校合格した時
   幕の内さんが作ってくれたスコーンがうまくって…ごくごく普通のスコーン
   だったのに幕の内さんの気持ちと二人で食べる、って事がおいしさを倍に
   してくれたんだ。ユキと一緒に食べればおかずのない真っ白な冷えたご飯
   だって絶対おいしいはずだよ。」

ユキは今まで進がひとりでいろんなことに耐えて来た事を思い出した。

  「帰る場所があっておいしいご飯を食べる事が出来る…これ以上求めたら
   バチが当たりそうだろ?」

進が笑う。

  「あ…贅沢をいうなら…一つ欲しいものがある…かな?」

進が急に真顔になった。ユキも真顔になる。

  「家族が…ほしい、かな。血の繋がった…本当の家族、がさ。今は家族同然の
   仲間がいてユキの両親がいて…寂しくないけど…やっぱり家族がほしい…。」

ユキの瞳から涙が落ちる。

  「そればっかりは授かりモンだからなぁ~」

進がそっとユキの涙を拭いた。