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島を想う(宇宙戦艦ヤマト完結編の後)3

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  「「ただいま。」」

進とユキは三浦の地下都市に戻って来た。みんなは地下都市の軍の独身寮に戻ったがそれだと二人でいられないので一度独身寮に戻った後三浦に向かって出発した。(地上は家族寮に住んでいるが地下は違う)


地下都市の進の家の玄関には大きなカバンが5つ、並べられていた。

  「…ごめんなさい。大事な物は地下都市に運びなさい、って通達が出ていたん
   だけど運ぶ時間もなくって…取り敢えず適当に手当たり次第のものをカバン
   に詰めてアナライザーに運んでもらったの。」

ユキが慌てて上がると荷物を奥に運び始めた。

  (そうだ…俺は入院してたんだ…)

進は思い出して荷物を運ぶユキの手を掴んだ。

  「ユキ、忙しい時だったのに病室に何度も来てくれて…ありがとう。」

ユキは急にそう言われて驚いたが

  「そうね、そうだったわ…ほんの少し前の話だけどうんと前にあった事みたい。」

ユキがにっこり笑う。

  「自分の事しか考えてなくて…ごめん!」

進が両手を目の前で合わせ謝っている。ユキはそんな姿の進が面白くて少し意地悪をしようと思った。

  「そうねぇ…大変だったわ。口も利いてくれないし…クローゼットに何が
   入ってるか知ってるくせに知らんぷりだし…こっちは移民船団の事や
   沖田艦長の事、連携する各艦の艦長との会議とかで大変だったのに…」

ユキは後ろを向いたまま話し始めた。

  「沖田艦長はまだ表に出られないからそれも長官が全部したのよ?その段取り
   は私の仕事だけど。」

そう言いながら振り向くと進は難しい顔をしていた。

  「古代くん?」

ユキが小首をかしげる。

  「俺って…本当にユキがいないとダメな男なんだよな…だから島が早く結婚
   しろ、って言ってたのかな…」

しょぼくれる進。

  「さぁ古代くん?荷物を運んで…少し休みましょう。ちょっと血液検査も
   した方がいいわ。毎日してた点滴、ここ3日ほどしていないわ。モリタ
   先生に怒られちゃう。白血球を簡単に数えるキット持って来てるから…
   それ運んだらソファーに座ってね。」

進の足元に3つ、荷物がある。

  「えぇ~検査?」

そう言いながら荷物を一気に持ち上げると奥の部屋に運び素直にソファーに座った。

  「あら、随分いい子だ事!」

ユキがクスクス笑う。

  「きっと少し体調が悪いのね。少し顔色悪いもの…(自分の手を消毒して)
   さて…(進の手の先を消毒した)ちょっとチクってするわよ?」

小さな針で進の指の先を刺して血を出すとそれをシートに吸わせて何やら容器に入れた。

  「お茶でも入れましょうか。」

ユキは立ち上がって冷蔵庫に入っていた未開封のミネラルウォーターを手に持ちポットに入れた。







  「うまい。」

程よい香りが部屋の中に香る。

  「そう?よかったわ。」

ユキも一口紅茶を飲むと先ほどの白血球のキットを見て眉間にしわが寄った。

  「悪いんだな。」

ユキの顔を見て進が言うと

  「普通の人の1.5倍になってるわ。古代くん、ケガしたじゃない?その
   せいで数値が上がったと思うから…ゆっくりお茶、飲んで。あ、シャワー、
   どうする?先に浴びてから点滴する?」(ユキ)
  「そうだな…先に浴びちゃえばユキもその後ゆっくりできるか。」(進)
  「そうね。」

ユキは返事をしながら立ち上がるとシャワーの支度しちゃうわ、と言った。