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島を想う(宇宙戦艦ヤマト完結編の後)4

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  「エレベーターが止まっていたらとてもじゃないけど上がれなかったわ。」

ユキが持ってきた荷物の中から水を取り出してお湯を沸かし始めた。

  「コーヒーにする?紅茶にする?」

ユキの問いかけに進の返事がない。ユキがソファーに座ってる進の様子を見に行くとスースー寝息を立てながら眠っていた。

  「どこでも寝れちゃうんだから…風邪引いちゃうわよ?」

ユキは寝室からブランケットを持ってきてそっと掛けてあげた。








  「島くん…私達、地上に戻って来たわ…夜になるとアクエリアスの海水の
   塊が見えるんですって…亡くなったクルーの魂もそこにあるのかしら?
   島くんもテレサさんとそこにいるの?」

バルコニーに出るとキレイな夕日が見えるのにユキの視界は揺れて夕日がはっきり見えない。

  「ほら、見て?さっき、発表があったんだけど…海が…元の海水に戻った
   って…。アクエリアスのおかげでまた地球は潤う星になったの。砂漠地帯が
   なくなって…緑豊かな星になるわ。私たちの戦いも無駄じゃなかったのね。」

ユキがコーヒーを一口飲んだ。

  「明日、南部くんと式の打ち合わせするの…なんだかドキドキする。」

ユキはそっと涙を拭いた。

  「泣いてる場合じゃないわね…これから忙しくなるわ。」

夕日はどんどん水平線に近付いて行く。ユキは後ろからそっと包まれるように抱きしめられた。

  「ここは風が強いから…冷えるよ?」

少し冷たくなったユキの身体を起きたばかりの進が抱きしめる。

  「大丈夫…温かいコーヒー持ってるもん。」

振り向くユキに進がそっとキスをする。

  「太陽の光、ってすごいわね。暖かみを感じるわ。」(ユキ)
  「そうだね。」(進)
  「でも夕日、って寂しいわ…いろんなことを思い出しちゃう…」
  「風邪引くよ、中に入ろう。」

ユキは素直に部屋に入った。