島を想う(宇宙戦艦ヤマト完結篇の後)5
指輪の交換も無事に終わり式のフィナーレを迎えようとしていた。
「それでは誓いのキスを。」
神父の言葉でユキと進の眼が初めて合った。
(なんて…きれいなんだろう…)
何度もドレス姿のユキを見た。だけど純白のドレスを着たユキを見て進は思わず息を止めた。
(誰にも見せたくない…)
動きの止まった進に外野が騒ぐ。
「古代さぁん、見とれてますよぉ!」
「そのままキスしちゃダメですよ、ヴェール上げて!」
その言葉に我に返ると進がヴェールに手を掛けようとしたのでユキも少し屈んだ。
ヴェールをあげてしばし見つめ合うと外野は静かになった。そのとたんユキが不安そうな顔をして進にそっと身を預けた。
「古代くん…」
小さな声だった。
「待たせたね。長い間…」
ユキが静かに首を振る
「でも…それも今日までだよ。これからは一生そばにいるから…。」
その言葉にユキは少しだけ頷く。進はそっとユキの身体を自分から離すとその少しうるんでいる瞳を見つめて静かに口付けをした。
作品名:島を想う(宇宙戦艦ヤマト完結篇の後)5 作家名:kei