二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

島を想う(宇宙戦艦ヤマト完結編の後)6

INDEX|8ページ/14ページ|

次のページ前のページ
 

  「ユキさんがお色直しから戻ってきました!」

相原の声がフロアーに響く。すると扉の一つが開きユキをエスコートしながら進が入ってきた。(悠輝とメイクさんは別の扉からこっそり入った)


誰もがユキの美しさとドレスにため息を漏らす。

  (サーシァ…)

真田が一瞬にして眼を奪われる。ユキが当然のごとく真田の前にやってきた。

  「真田さん…」(ユキ)
  「ユキ…サーシァが戻って来たかと思ったよ。」(真田)

真田が言っていいものか悩んだがそれしか言葉が出てこなかった。

  「よかった…アナライザーが私とサーシァちゃんを間違えた、って聞いて…
   須藤さんのドレスにこの色があった時イスカンダルを思い出してつい手に
   取ってたんです。」

ユキが真田の顔を覗きこんで

  「大丈夫ですか?却って…辛い思いをさせてしまいましたか?」

真田が後ろを向いて涙を拭いた。

  「いや…すまん…サーシァが無事に帰って来てもし嫁に行ったら、って想像して
   しまって…ユキとサーシァは本当によく似ていた。勉強ができるところも
   人の気持ちに敏感なところも…。もしここにサーシァがいたら本当の姉妹の
   ようだっただろう…。」

真田が涙を拭いた。

  「…サーシァちゃんの話…こんどゆっくり聞かせてください。一時だけだった
   けど…私、サーシァちゃんのママ、したんですもの…。」

進からサーシァの事はきちんと聞いていた。だけどイカロスにいた時の話はまだ聞いていない。

  「私達が思い出してあげないと…でしょ?」

ユキの微笑みとサーシァの笑顔と重なる。真田は頷く事しかできなかった。






  「ゆきサン…トテモ美シイデス。」

アナライザーはみーくんと一緒に部屋の隅にいた。

  「ミークン、私ハ完全ニ失恋シマシタ。生キテル価値アリマセン。」

アナライザーが青いライトを点滅させながらつぶやくとみーくんが“みゃぁ”と鳴く。

  「バカモン、アナライザー。お前さんには大事な仕事があるじゃろ?これから
   ユキに子供が出来た時、お前が守らんでどうするんじゃ?」

佐渡がアナライザーに激を飛ばす。

  「ソウカ…私ニハマダ仕事ガアッタンデスネ。」

アナライザーは赤いライトを点滅させ始めた。

  「そうじゃ、ユキだけじゃない。ヤマトのクルーはまだいるじゃろ?」(佐渡)
  「ハイ、私、頑張リマス。」

アナライザーの言葉にみーくんが“みゃぁ”と鳴いた。





ユキが進に手を引かれてユキの両親と島と加藤と山本の両親に挨拶する。そして藤堂夫妻と佐渡に挨拶した。







イスカンダルへ行った数少ないクルーとサーシァを知っているクルーは涙を浮かべながらユキと話をしていた。誰もがサーシァの思い出話をして泣いたり笑ったり…。悲しくも美しい星…イスカンダル……。




進はユキのその姿を見て火星で命を落としたサーシァを思い出していた。もし…サーシァが生きていたら…自分の人生と島の人生は変わっていたかもしれない…


  <if、は、ない。>

進の頭の中で島の声がしたような気がした。進がハッとして辺りを見渡すがもちろん島がいるわけがない。

  (島…)

進はグッと拳を握る。

  (頼むな…俺が道を誤った方へ向かった時…ストップかけてくれな。)
 
進はふと自分の右側を見つめた。





  「進くん。」

進がクルーと話しているとユキの両親と島の家族、加藤と山本夫妻が一緒に声を掛けてきた。

  「すみません、全然お相手できなくて…。」

進が話し始めると少し離れた所からユキが進の横に並んだ。」

  「あ、ユキ…。今日は先撮りした時よりキレイよ。」

母が声をかける。

  「ありがとう。」

母に言われユキも涙を浮かべる。

  「進くん、私達はお暇する事にするよ。」(ユキの父)
  「え?まだ…もう一枚ドレス…」(進)
  「いや、後はもう、若い人たちだけで盛り上がった方がよかろう?」

ユキの父がそう言うと他の家族も頷く。

  「次郎も…あくびが出始めまして…。」(島の父)

進が時間を見るとすでに夜の9時を回っていた。

  「…そうですか…残念ですが…」

進がそう言うと

  「古代くん、ありがとう。こちらも幸せな気持ちになれましたわ。」

山本の母が声を掛ける。

  「きっと…三郎も喜んでいると思います。どうか…幸せに…。」

加藤の母もそう声を掛けて4家族は帰って行った。