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島を想う(宇宙戦艦ヤマト完結編の後)8

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あれから時々うなされる事はあるが進の状態も徐々に落ち着き三週間の休暇も消化したので二人は揃って藤堂の所へ挨拶に来ていた。

  「長く休みを頂きすみませんでした。島の部屋の整理も相原と済ませました。」
  「久しぶりだな、古代は体調がすぐれないと聞いたが…もう、大丈夫なのか?」

藤堂が声を掛けると進は頷いた。が、まだ点滴していますが、と付け加えた。長官室で藤堂と進と向き合い座って話をし始めた所でユキがコーヒーを入れてきた。

  「ユキも座りなさい。」

藤堂にそう言われユキは進の横にちょこんと座った。

  「いい式だったよ。晶子がうらやましそうに二人を見ていた。このまま相原と
   結婚するのか、と漠然と思ったが相原なら晶子を任せられると思ってる。
   平和、と言うのは本当にいいものだな。」

藤堂の言葉に二人は頷く。

  「今、急ピッチで輸送船と護衛艦を造っている。それまでは古代も地上勤務
   だな。ユキも安心だろう?」

ユキはえぇ、と答える。

  「ユキ、ご両親は?」

藤堂はユキの結婚式であいさつしたユキの両親の事を思いだした。

  「えぇ実は来週父が転勤で…ヒロシマシティへ行く事になりました。
   父はすでに現地に入っています。」(ユキ)
  「そうか…離れてると心配じゃないか?」(藤堂)
  「そうですね…でも今までも頻繁に会っていたわけではないので…多分、
   今まで通り、だと思います。」

ユキがにっこり笑う。

  「今後は若い者に頑張ってもらわなくてはならん。頼むな、古代。」

藤堂がそう言うと進は頷いて

  「はい、微力ながら…。」

進と藤堂は力強く握手を交わした。









  「じゃぁユキ…。」

しばらく三人で歓談した後、進は長官室を辞した。ユキもエレベーターホールまで一緒に歩く。

  「本当に大丈夫?」

ユキが心配そうに聞くと進はにっこり笑って大丈夫、と告げた。

  「急ぎの仕事がなければ定時だから夕食を買って帰ろう。」(進)
  「じゃぁ上のカフェで。」

ユキが上を指さすと進が頷いた。そこへエレベーターが来た。

  「行ってらっしゃい。」

ユキが笑顔で送り出した。