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島を想う(宇宙戦艦ヤマト完結編の後)8

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  「昨日はすみませんでした。」

ユキはいつもと同じように出勤していた。もちろん二人揃って仲良くご出勤。藤堂もユキの幾分すっきりした顔に安堵する。

  「大丈夫だったか?」

藤堂は何も知らないがユキの顔色を見てそう尋ねた。

  「はい…ご心配おかけしました。」

ユキはすぐに今日のスケジュールを確認して長官室の隣にある秘書室に戻った。







数日後のいつもの午後…軍では毎日の光景が見られる。食堂の入り口に進がユキを待つ姿。時々それが逆だったりする事もあるのだが…。


  「ユキ。」

お昼の食堂は混むがユキが食事をするのは時間が不規則なので進がユキに時間を合わせて食堂で待っていた。

  「お待たせ。今日のランチなにかしら?」

二人は揃ってカウンターに食事をとりに行った。その姿を軍のみんなが羨ましそうに見ている。進もユキもその視線は感じている。



ふたりが相談して決めた事…それはふたりでいる事。



  「英雄の丘…新しいレリーフが出来上がったわ。来週、予定通りセレモニーが
   行われるわ。どうする?今日、仕事が終わったら行ってみる?」

ユキが食事をつつきながら進に聞いた。

  「ユキ、今日は忙しいの?」(進)
  「ううん、セレモニーの打ち合わせだけ。他は何もないわ。」(ユキ)
  「セレモニー直前だとやっぱり忙しいか」(進)
  「そうね、打ち合わせだらけになるわ。遺族への連絡もあるしね。
   直接私が連絡取る訳じゃないけれどその段取り、私の仕事だから…」(ユキ)

ユキのヤマトの生活班長としての最後の仕事…

  「よっ。」

ふたりが食事をしていると真田が声を掛けてきた。

  「真田さん、お久しぶりです。」(ユキ)
  「随分遅い食事じゃないか。」(真田)
  「いつもこのくらいの時間なんです。真田さんは?」(進)
  「ストックしてたコーヒーが無くなったから一杯買いに来たんだ。」

真田はそう言うとカウンターサービスにあるコーヒーを一杯カップに入れ進の隣に座った。

  「古代、体調はどうだ?」(真田)
  「白血球は落ち着いています。検診もいつまで続くんだ、って感じですよ。」

進が皮肉一杯で言う。

  「一番重体だったお前が言う言葉じゃないだろ。俺達だってまだ検診が続
   いてるんだ。文句言わず安心料だと思って行け。ユキだって行って何も
   なければ安心するだろ?まぁ毎日キッド使って検査してるとは聞いてるけど」

真田はごちそうさま、と言わんばかりだ。

  「毎日してるから検診いいじゃないですか、って思ってしまうのですが…」

進がつぶやくように言うと

  「軍も体裁があるんだろう。まぁ一日じゃなくて半日で済むからその後の
   自由時間を楽しむ、って事でいいじゃないか。お前なんかユキもいる事
   だし…。」

真田が笑う。

  「真田さんは?」

進が真田の体調を気遣う。

  「あぁ、疲れやすい事もないし…。」

その言葉にユキがホッとする。

  「よかった…」

ユキにしてみたら真田は命の恩人でもある。あの時真田が意識を取り戻さなかったら…ユキは自らの命を断っていたかもしれない…


  「だからって…ラボにこもらないでちゃんと家に帰って休んでくださいね。
   真田さんはラボで寝食しちゃうから!」

ヤマトに乗るまで行動を共にしていたユキだからこそ知っている事…

  「わかった、わかった。気を付けるよ。」

真田が苦し紛れに言ったが

  「真田さんのわかった、が一番信用できないん、で・す。」

ユキの一言が真田にズシっと刺さる。進はそろ~っと立ち上がる。

  「古代くん、どこ行くの?」

ユキが進を見る。

  「いや、食後のコーヒー…と思って…。」

進がさっき真田が注いできたコーヒーサーバーを指さした。するとユキが真田の空いたカップを持って

  「私が取って来るわ。」

と言って席を立った…その瞬間、目の前が真っ暗になった