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ガルマンガミラス滅亡の危機2

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  「リィ様、迎えが参りました。」

侍従に声を掛けられリィは自室の扉を開けて振返った。

  「リィ様、私がお伴をしますのでご安心ください。」

ほんの数日過ごした自分の部屋。でもとても居心地がよかった。ここへもどってこれないかもしれない…。リィは侍従に聞こえないよう小さくため息をついた。





部屋を出て玄関の扉の方を見ると両親が立って待っていた。

  「リィ、行ってらっしゃい。」

母がそっと抱きしめる。そのふたりの肩を父が抱く。

  「そろそろよろしいでしょうか。」

事務的な声が聞こえ扉が開くとそこに迎えが待っていた。少し歩けば水路でそこに船が泊まっている。

  「行ってきます。」

表書きはお輿入れではない。だから笑顔で送り出す。娘も笑顔で切り返した。

  (後戻りはできない)

リィは前を向いた。









  「ようこそお越しくださいました。」

水路を下り案内された島は少し大きな神殿があって普通の島より立派な作りになっていた。

  「あ!」

一度しか会ったことはないが出迎えたのがタランだったのでリィはほっとした顔をした。

  「お待ちしておりました。こちらへどうぞ…。」

タランを先頭にリィが歩きその後ろに侍従が控える。

  「大きな神殿ですね。」(リィ)
  「えぇ、仮にもデスラー総統がいらっしゃるところですからルダ女王も気を
   使って下さったのでしょう。助かっております。執務室や会議室、応接室など
   使い分けられるようなっておりまして…最上階にデスラー総統のお部屋もござ
   います。私は総統の下の階に部屋があります。夜はいつもここにおりますから
   何かありましたらいつでもご連絡ください。」

リィは侍従と共に総統府の奥に連れて行かれた。

  「私が入れるのはここまでです。この先は教育係にあなた様を預けます。」

部屋をノックすると中から背の高いほっそりとした女性が現れた。

  「彼女がリィ様。お願いします。」(タラン)

タランがそう言うと女性はうやうやしく頭を下げた後姿勢を正しリィを見た。彼女の名前はサラン。サランが挨拶をした後リィも挨拶をした。

  「リィと申します。よろしくお願いします。」

リィが頭を下げると侍従も一緒に頭を下げた。











  「デスラー総統、ご夕食の準備がと整いました。」

デスラーは聞きなれない声に聞き耳を立てたが初めて聞く声じゃない事に気付き扉をじっと見つめる。

  「失礼します。」

デスラーの顔が“あっ”と言う顔になった。声には出さないがリィを見てなぜここにいる?という顔をしている。すぐさまデスラーの視線はタランに戻された。タランはニコニコしてリィを見ている。リィの横にいるのは教育を任された先程挨拶したほっそりとした女性、サランだ。

  「サラン…この女性は?」(デスラー)
  「今日より総統府に参りましたアンダンの国王の姪、リィ様でございます。
   本日よりこちらでお手伝いいただくことなりました。」

サランが深く頭を下げながら言うと同じようにリィも頭を下げる。

  「…わかった。」

少し面白くなさそうなデスラーに不思議そうな顔をリィはしたが料理を並べると食前酒を注ぐ。そして頭を下げると扉付近でサランと並んでたった。

  「タラン?」

嬉しそうに食べるタランにデスラーが不機嫌そうに声を掛けた。

  「なんでしょうか?デスラー総統。」

ふたりにしか聞こえないぐらいの小さな声だ。

  「なぜあの娘がここにいる?」(デスラー)
  「えぇ総統がめずらしく楽しそうにお話しされていたのでお話し相手によろしい
   かとおもい…なにか問題でもありますか?」(タラン)
  「彼女は仮にも国王の姪だぞ?こんなところで給仕の様な仕事をしていると
   本国にばれたらルイサーが何を言われるか…」(デスラー)
  「そうですね、姪、でございますね。ではご一緒に食事でもされますか?」

タランにそう言われて今日来てすぐに一緒に食事と言う訳にもいかない。

  「この話は後で…。」

デスラーはため息を殺して食事を進めた。