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ガルマンガミラス滅亡の危機2

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  <これは…タラン将軍。>

ルイサーは右手を挙げ敬礼するとタランも敬礼で返す。

  「今日はおもてなし頂いてありがとうございました。」

タランは素直にお礼を言う。

  「単刀直入に聞く、ルイサー殿の娘の名前は?」(タラン)
  <リィと申します。>(ルイサー)
  「ではリィ殿を私に預けてはくれまいか?」(タラン)
  <…と申しますと?>(ルイサー)
  「リィ殿は聡明と見えます。今後総統府でお預かりしたいと。」
ルイサーはタランの言っている意味が分かった。

  <これは…ご命令でしょうか?>

ルイサーが小声で聴く。

  「できれば…命令と言う言葉は使いたくないですが…ただご安心ください。
   これはデスラーの意志ではなく私の意向です。」

ルイサーは察知した。つまりデスラーが気に入らなければ娘は戻って来れる、と。

  <…承知しました。>(ルイサー)
  「では3日後遣いを出しますので。時間は追って。」

タランはそう言うと通信を切った。





  「お父様!」

ルイサーは翌日娘に告げた。

  「なぜ?私を捨てるの?」

娘は昨日ボラーの話を聞いたばかり。まるで死地に向かうような顔になっていた。

  「違う。ちゃんと話を聞きなさい。」

ルイサーが娘と向きあう。

  「これはタラン将軍からの連絡だ。つまりデスラー総統の次に偉い方の命令
   だから背く事は出来ない。だが総統府に迎えられる、という事は“信用
   された”という事だ。いいか?そこでしっかり自分の眼で見てくるんだ、
   真実を…。ボラーとガルマンガミラスがどう違うのか。お父さんとお母さんは
   いつまでもお前の帰りを待ってる。大丈夫だ、帰る場所があるんだから…
   お父さんとお母さんはもう帰る場所がない…だが、お前が帰ってくる場所は
   ちゃんととっておくから安心しなさい。」

娘は泣きながら頷く。母は扉の近くでそれを聞いている。

  「いいか?アンダンの事をいつも思い誇りを持って行きなさい。」

ルイサーはそう言って娘の部屋を出た。








タランからの通信の後、ルイサーは一晩妻の話し合った。

今こうして暮らせるのはガルマンガミラスのおかげ…デスラーが市民、要人と問わず避難させてくれたからだ。そしてデスラー自ら自分たちを心配してくれた。

ここまでよくしてくれて断る理由がない。それが夫婦の意見だった。

だがガルマンガミラスの事をよく思っていない娘がそれを聞き入れてくれるだろうか…聞き入れて総統府へ行ったもののデスラーとそりが合わずボロボロになって帰って来たら…とか心配は尽きない。

なんせここにいても他は全部異星人。家族、侍従は同じ民族…でもこれから先、年を重ねればいずれ娘は一人になってしまう。娘がひとりで異星で生きて行く事を考えると不安以外なにも浮かんでこない。でも総統のそばに仕えていれば不自由ないだろうと…。

自分たちが先に旅立ってゆく…娘一人後ろ盾もない。心配で死んでも死に切れ無さそうだがデスラーのそばに遣える事が出来たら安心だとそう考えたのだった。