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ガルマンガミラス滅亡の危機2

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  「地球に影響がないといいが…。」

デスラーは食事中先程のアクエリアスが気になって独り言をつぶやいた。グラスのアルコールがなくなったので注ごうと思い横に立ったリィが慌てて立ち止まる。

  「リィ様、どうぞ総統に酒を…。」

その様子を見ていたタランに促されリィがアルコールを注ぐ。

  「すまんな、考え事をしていて。」(デスラー)
  「いえ、総統も悩まれる事があるのですね。いつも即決だと思っていました。」(リィ)
  「自分の国の事なら即決するが自分の力の及ばないところはどうしたらいいか
   考えてしまう。最善の方法がわからないからね。」

デスラーは赤色銀河の事を地球に伝えられなかったのが一番引っかかっていた。

  「それは?」(リィ)
  「地球の事だよ。かつて私が一度だけ負けた相手だ。」

リィはデスラーの告白に驚いた。あのボラーと対等に戦えるデスラーにそんな敵がいたなんて知らなかったからだ。

  「科学力では…決して負けていなかった。ただ彼らは私に持っていないものを
   持っていたのだ。」(デスラー)
  「それは?」(リィ)

リィの問いにデスラーは首を振った。

  「それはまだ私も手に入れていないもので…最近そのうちの一つを手に入れた。
   (タランを見る)なぜ今まで気付かなかったのか不思議なものだが身近なもの
   ほど近すぎて見えない事もあるようだ。」

デスラーはそう言って自傷気味に笑った。

  「そう…なんでしょうか?」(リィ)

デスラーに酒を注ぐとデスラーは軽く会釈した。

  「手に入れたいと思って手に入れられるものでもない…難しいものだ。」

デスラーにはの心の奥の碧い光が見える。

  「もっと早くに気付けば手に入れられたのかもしれんがな…。」

デスラーはそう言って一気に酒を飲むと立ち上がり食事を終えた。タランがデスラーの後を追うように食事を終わらせ立ち上がる。

  「よい…ひとりで考えたい。タラン、ゆっくり食事をするといい。サラン、
   余り物だがタランの相手をリィ殿と頼む。」

残しては失礼だと思ったのかデスラーはそう言うと静かに部屋を出て行った。

  「よろしいのでしょうか?」

サランが同席していいかタランに聞こうと思い近付いて尋ねた。

  「どうぞ、座ってください。私の食事に付き合って下さい。」

タランはとりあえず二人を席に座らせた。

  「総統は地球に負けていろんなことを学びました。それまで全勝だったガミラスは
   全てを失いました。総統も国家の再建を望み再びヤマト…地球と戦う事を望み
   ましたが夢、叶わず二度破れました。かつて我々は地球を征服しようと試み
   ました。しかし地球はヤマトを造り地球を護る為に戦った。そしてヤマトは
   地球が滅びる寸前で反対にガミラス星を叩きガミラスは死の星になって
   しまった。滅び行く母星の為に地球を征服しようとしたガミラス、地球を
   守ろうと戦いガミラスを滅ぼしてしまったヤマト。どちらが正しい行動だと
   思いますか?」

タランは二人に聞いた。

  「答えは簡単です。デスラー総統が間違っていたのです。わざわざ地球を征服
   するのではなくガルマンのように同盟を組んでくれる星を探せばよかったの
   です。我々はそれに気付きませんでした。その過ちを教えてくれたのが地球の
   艦…ヤマトです。二度破れて…三度交えた時は同じ敵と戦いました。不思議な
   感覚でした。以前はお互いが砲塔を向け合い戦っていたのにほんの数か月後、
   お互い横に並び同じ敵と向き合っていたのですから。」

タランの話を二人はじっと聞いている。

  「あぁ、食事をしながら聞いてください。フォークはありますか?適当にどうぞ。
   とてもおいしい食事ですから遠慮しないで食べてください。」

タランが食事を勧める

  「その時総統はこの世で一番大切なものをふたつ失いました。すでにひとつは
   総統の手に入れられないものでしたがとても大切なものでした。
   総統は失ったものの代わりはないがこれからその大切なものを探そうとして
   いるのですよ。」(タラン)
  「それは見つかりそうですか?」(サラン)
  「わかりません。すぐに見つかるかもしれないしずっと先になるかもしれない。
   こればかりは私にもわかりません。」

タランが困った顔で言う。

  「でも無理に探す必要もないです。それが自然に見つけられるのが一番です
   から。」

3人で静かに食事は進む。

  「あの…地球、って一度寄港した戦艦の母星ですか?」(サラン)
  「そうです。」(タラン)
  「とても若い人が乗っていると聞きましたが?」(サラン)
  「その通りです。」(タラン)