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ガルマンガミラス滅亡の危機2

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  「ウルフ、私は失礼するよ。少しだがとても体を休ませることができた。
   礼を言う。」


飲み物の容器を返すとデスラーは立ち上がり軽くマントをはたくとタランを連れてウルフと別れた。








  「デスラー総統…。」

タランは毒見をさせなかった事を謝ろうと思ったがそれを察したデスラーが立ち止まりタランを見た。

  「よいのだ…余はルダ女王を信頼している。」

驚くタランにデスラーは言葉を繋ぐ。

  「余が信じていたのは己の力だけだった。しかしそれはヤマトによって挫かれ
   復讐の為だけに生きた。しかしそれを挫かせたのは古代とユキだった。私は
   たったひとつの戦艦によってその都度過ちを気付かされてきた。
   ファンタムの事も…シャルバートの迫害も…。今思えばなぜもっと早くに
   気付かなかったのか…悔やむ事ばかりだ。何もなければイスカンダルを失う
   事もなかっただろう。」

デスラーが遠い昔を思い出すように眼を閉じる。

  「ガミラス星を失う原因を作ったのは紛れもないこの余だ。イスカンダルの様に
   星の運命を受け入れるか…地球より早くガルマン星を発見していたらよかった
   のかもしれない…。すべては結果論だ…。ただ余は今後悔してる部分もあるが
   よかったと思うところもある。ヤマト…古代と出逢えた事、その事で余は傍に
   いるタランに気付いたのだからな。」

デスラーは大陸と大陸を結ぶ帆船に乗り込んだ。

  「よいのだ…その証拠にこんな大惨事の中救いの手が差し伸べられた。今まで
   だったら外宇宙へ逃げるのが精いっぱいで民も散り散りになってしまっただろう。
   これで…よいのだ。」

デスラーは笑っていた。タランはそんな笑顔を見た事がなかったので驚いてしまったがつられてタランも笑顔になった。





  「デスラー総統…心配しました。随分遠くまで行かれたのですね?」

ルダが心配そうにデスラーに声を掛けた。

  「心労が溜まっておいででしょう?どうか体を休めるのも仕事だと思ってゆっくり
   なさってください。」(ルダ)
  「いえ…少し休む事が出来ました…おや?今日はおひとりですか?」(デスラー)

いつも隣にいる揚羽の姿がなかった。

  「えぇ、今デスラー総統の夕食の準備に彼が立ち会っております。大陸がいくつか
   に別れているせいであちこちお出かけになられる総統にシャルバートのおいしい
   お料理をお出ししたい、と言って…。」

ルダが優しい笑顔で笑う。デスラーはその笑顔に今は亡き、美しい隣人を思い出していた。

  (スターシア…)

少し寂しそうな顔をルダが察した。

  「総統…何かお困りの事でも?」

そこへ揚羽が戻って来た。

  「デスラー総統、夕食の準備が整いました。どうぞ…。」

揚羽がルダの手を取り立ち上がらせる。

  「ありがとう、揚羽くん。女王も気を遣わせて…。」

デスラーも立ち上がりルダと揚羽の後ろを歩く。デスラーの後ろにはタランが歩いていた。




  「デスラー総統、先ほど何か…。」

ルダが夕食のデザートが運ばれたところでデスラーに声を掛けた。

  「いえ…お世話になっている女王に一つお願いをしても?」

デスラーが手に持っていたフォークを置くとタランもそれに倣う。

  「我が母星から非難した市民の中に同盟国の要人とその家族がおります。一度その
   彼らと話をしたいので場を設けて頂きたいのですが。」

デスラーがそう言ってルダに向かって頭を下げた。ルダは立ち上がるとデスラーに頭を上げるように伝えるとデスラーは頭をあげてルダを見た。

  「そのような事…人に頭を下げてお願いする事ではございません。どうぞこの宮殿の
   会議室をお貸ししましょう。要人だけでよろしいのでしょうか?ご家族の方は
   いかがしましょう?」

家族まで呼ぶと膨大な人数になるので要人だけ、という事になりタランを通じて翌日帆船を各大陸に付けるので宮殿で会うことが決まった。

  「ありがとうございます。」

デスラーは素直にお礼を言った。