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ガルマンガミラス滅亡の危機2

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  「…なし、か。」

タランが肩を落とした。

  「諸君。」

誰もがタランを見た。

  「我々ガルマンガミラスは諸君らを見捨てたりしない。ガルマンガミラス人で
   ないからと言って迫害するつもりもない。諸君らは諸君らの星の代表として
   我々の星へ来た。我々も避難してきている身で大きなことは言えないがもし
   諸君らが母星と連絡が取れずガルマンガミラスへ完全移住したいという事で
   あれば受け入れよう。万一母星の無事が確認されそちらへ戻りたい場合は
   遠慮なく申し出よ。」

誰もがタランの言葉に息を飲んだ。ボラーに解放されたとはいえガルマンガミラスに服従しなければ同じ目に遭うと思っていたからだ。

  「…ありがとうございます。」

男が一人立ちあがりそう告げた。

  「私はアンダン星から来ましたルイサーと申します。兄が国王を務めており
   弟である私がガルマンガミラスへ親善大使として参りました。まさか私がこの
   ような形で助かるとは思ってみませんでした。感謝いたします。」

ルイサーはそう言うと静かに頭を下げた。

  「私は母星と連絡が取れません。ガルマンガミラスと比べてはいけないと思い
   ますが我々の星は全人類を避難させるほどの宇宙船を持ち合わせておりません。
   恐らく…兄も逃げ出せずアンダンごと…。」

ルイサーの握りしめた拳が机の上で震えていた。

  「…よい。」

デスラーの一言でその震えが止まった。

  「我々は…母星が目の前で爆発する姿を見た事がある。すでに星としての機能は
   していなかったがなぜそのような事になってしまったのかと思うと後悔の念しか
   思い出せない。ルイサー殿は星の最期を見ていないのだから望みを捨てては
   いけない。母星が残っている事を祈るのだ。…しかし万一の時はルイサー殿を
   含め家族、使用人をガルマンガミラスに受け入れよう。安心せよ。我々は同士だ。
   ボラーを殲滅し平和な銀河を取り戻すために手を取り合った仲間だ。この先も
   ルイサー殿の協力が必要な時が来るであろう。」

デスラーのこの一言をきっかけに各同盟国の要人が手を挙げ席を立ちデスラーへ忠誠を誓いガルマンガミラスへ移住を希望したのだった。







  「デスラー総統…。」

誰もいなくなった会議室にデスラーとタランがいた。

  「タラン…余はタランに頼みたい事がある。」

タランは静かに跪いた。

  「余が間違った方向へ向かおうとしていたら…それを知らせてほしい。」

タランはその一言に耳を疑った。

  「デスラー総統…?何を?」(タラン)
  「タランは古代とユキを見ただろう?」(デスラー)
  「ハッ」(タラン)
  「古代にあって余にないもの…それは友と愛する者だと気付いた。ルダ女王にも
   愛する者がいる。」(デスラー)
  「デスラー総統…」(タラン)
  「しかし私にはタランがいつもそばにいた。なぜもっと早く気付かなかったのか
   もっと早くタランそばにいる事に気付いていたらボラーとの戦いも長引かず
   早く済ませられたかもしれない。そうしたら地球の太陽に流れ弾が当たる
   事もなく全てが穏便に済ませられていたかもしれない。…私は孤独だった。
   誰一人信じる事が出来ず常に独りだった。だがタランは常について来てくれた。
   白色彗星に身を寄せていた時も…余の自由が奪われていた時は我を信じて
   待っていてくれた。よいな?タラン。しっかり余を見張っているのだぞ?」

デスラーはそう言うと立ち上がり女王にお礼を言わなくては、と言って会議室を出ようとしたのでタランも慌てて会議室を出た。












タランの元に毎日通信が入る。同盟国の要人からだ。その通信の内容のほとんどは母星と連絡が取りたい、との申し入れだった。が、それは今できない状態だ。現在の銀河系の様子を見てきたがとてもじゃないがどの星も人がいられるような環境ではない。

  「タラン、疲れているようだな。」

あれからタランはデスラーと一緒に食事を摂るようになっていた。そして今、朝食を一緒に食べている所だった。深いため息をついてしまった事に気付いたタランは慌てて水を飲む。

  「よいのだ、隠さなくて。要人から連絡が来るのであろう?」

さすがに直接デスラーと話をしたいというものはいるはずもなく全てタランが窓口になり話をしていた。

  「母星と繋がれないのは辛い事だ。我々がその事を一番よく知っている。」

デスラーが静かにつぶやく。