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ガルマンガミラス滅亡の危機2

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  「彼らが生き延びガルマンガミラスにいてよかったと思えればそれでいい。
   そして彼らの子が我が母星を故郷と呼べるようなったら…」

デスラーが言葉を繋ぐ。

  「私達は未来につながる線でしかないのかもしれんな。」

以前なら食事の度に出ていたアルコールはない。

  「デスラー総統?奥方を娶る心の準備でもされ始めましたか?」

タランが少し嬉しそうに言う。

  「ルダ女王と揚羽くんを見て触発されたとでも?」

デスラーが笑い飛ばす。

  「よい…余の理想は高いのだ。」

そう…眼をつぶれば碧く光り輝くスターシアの面影が見える。タランもイスカンダルが自爆した時のデスラーの様子を忘れるはずがない。

  「そうですね。」

タランが短く返事をするとデスラーが話を切り返してきた。

  「しかしタランはよいのだぞ?余の真似などせず。いい人はいないのか?」

デスラーが食事を終えて口元を拭いてタランに尋ねた。急に方向転換されたタランは慌ててパンを口に入れようとしていたが口に入らず落ちてしまった。

  「デスラー総統、何を急に…」

落ちたパンを拾いテーブルの上に置くと手を払って静かに言い放った。

  「今まで睡眠中以外デスラー総統とご一緒して参りました。私に女性の影など
   ございましたでしょうか?」

確かに…朝起きるとタランはすでに扉の外で待っていて寝る直前まで一緒だった。

  「よし、わかった。では今後は定期的に休みを取るがいい。」

その言葉にタランが立ち上がった。

  「デスラー総統、私は何か粗相をしましたでしょうか?」

タランの眼は真剣だった。

  「何かお気に召さない事を言いましたでしょうか?」

震える手を見てデスラーが首を振る

  「まぁ落ち着いて座りたまえ…(タランが座る)違うのだ。今まで私に忠誠を
   尽くし死を覚悟で私についていてくれた事に感謝の言葉ひとつじゃ足りないと
   思っている。有事の時は別だがタランも少し自分の身の回りの事を考えても
   よいのではないかと思ったのだよ。古代の様にいつもそばにいてくれる女性を
   探すもよし…だと思ってな。」(デスラー)
  「デスラー総統…。」(タラン)
  「まぁ人選は慎重にしてもらわんと困るがな。」

タランはデスラーの側近中の側近。デスラー中心の生活を由とした女性でないと務まらない。

  「ご心配なく…そのような女性はおりませんし今後も予定などございませんので。」

タランも口元を拭くと立ち上がり部屋の外にいた兵に食事を下げるよう頼んだ。








  「ふむ…。」

事態は余り良くない。赤色銀河は銀河系と交わったままだ。ルダの情報だとこの天体は定期的に銀河全体を異次元空間から姿を現すのだと言う。

  「よりによって銀河の一番星のある地域に現れなくてもよかろう…。」

赤色銀河が徐々にボラー側からガルマンガミラス側に移動しているのがわかる。

  「範囲が広大で…ほぼ星々は消滅となるでしょう。」

銀河の谷で科学局の責任者が端末を操作しながらデスラーとタランに話しかける。

  「こればかりは私達の科学の力をもってしても…」

責任者は首を振る。

  「いえ、情報があるだけありがたいと思っています。」

タランが深々と頭を下げる。

  「また、明日伺います。」

デスラーとタランはそう言って銀河の谷を後にした…これは毎日の日課でそれから一般市民の様子を見にふたりは小さな島をいくつも渡り歩く。そしてそこの島を取り仕切る軍の要人と一緒にいる家族、同盟国の要人と会談をして親睦を深めていった。一般市民も今まで画像や軍の演習の時にしか見る事が出来なかったデスラーを身近に感じる事ができた。

  「ようこそいらっしゃいました。」