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ガルマンガミラス滅亡の危機2

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軍の要人はデスラーを自宅にあてがわれている部屋に上げる。狭いが自宅ではないので“狭い所ですが…”などと言えない。

  「不自由はないかね?」

デスラーが聞くと要人は緊張して直立不動になり敬礼をして

  「ないであります!」

と言った。その様子が面白くてデスラーもタランも笑ってしまった。

  「ここはそなたの家ではないか。そんな堅苦しくせずとよい。私は普段の生活を
   みたくてここへ来たのだ。生活するうえで困った事はないか?そのような
   相談が市民からあがっていないか?」(タラン)
  「ハッ…当初は不安の声が上がっていましたが現在は安定しております。」

要人が胸を張って答える。

  「そうか…ならばよろしい。ここはあくまでも仮の宿。シャルバーとへお返しする
   場所だ。何かあったら赤色銀河と交差する生きていられない場所へ戻らないと
   いけなくなってしまう。そうならないためにも治安をよくして悪しき人間が
   でないよう最新の注意を払ってくれたまえ。よいな?」

タランは気を引き締めるよう伝える。

  「これだけ平和だと反対に気が大きくなり犯罪を犯すものも出てくる。先の
   見えない不安が一番危ないが平和に慣れてきた頃もキケンだ。気を付けて
   くれたまえ。」

タランの言葉に敬礼で答える。

  「何かあったらすぐに連絡するように。」






デスラーとタランはこのようにその島を渡り仕切る軍関係者にひとつひとつ足で回り声を掛けている。この様子を見て一般市民が事を起こす事などできるはずもない。




  「ようこそ…お待ちしておりました。」

今日はアンダン星のルイサーの自宅へ行った。現国王の弟…とはいえすでに55歳を越えた顔立ちをしていた。デスラーとタランは小さなテーブルの奥に座わり向かいにルイサーとその妻が座った。

  「妻です。」

ルイサーは妻を紹介した。年の割に美しい、とデスラーは思った。多分まだ50歳達していないくらいの年だろう。

  「この度は大変な時にお心遣いを頂きありがとうございました。」

妻がそう挨拶すると女性がお茶を運んできた。

  「こちらでおいしいと評判のお茶でございます。お口に合えばよろしいのですが。」

少し女性の手が震えていた。顔を見るとルイサーの妻とよく似てとても美しかった。

  「すみません、慣れないもので…。」

国王の弟の家族ともなればお茶を出す、なんてこと普段は絶対にないだろう。ただここは仮の住まい。家族だけで住んでいる状態…侍従もいるがその娘はお茶を出すのをかってでたのだ。

  「ありがとう。」

お礼の言葉に娘は驚いてデスラーの顔を見た。

  「ここのお茶はおいしい。私も毎朝飲んでいるよ。」

デスラーはそう言ってタランに同調を促す。

  「えぇ、今までお茶など総統は召さなかったのですが…ここへきて健康的な
   生活をしているような気がします。なんせ今まで朝から食前酒でしたから。」

タランが今までどれだけ不健康だったかを話しそうになったのでデスラーが遮ろうとしたがその“朝から食前酒”にその女性が笑ってしまった。

  「うふふ、そうなんですか?」

デスラーの前にお茶を置いた時は震えていた手が止んだ。緊張していた空気が見事に吹き飛んだ。

  「まぁ食前酒が朝食のようなもんでしたが。」

タランの言葉にクスクスと笑いながら両親の前にお茶を置く。

  「すみません、総統。」

娘が余りに笑うので申し訳なくなったのかルイサーが謝る。

  「いや、いいのだ。嘘ではないからな…しかしタラン、言葉が過ぎるぞ?」

そう言いながらもデスラーも笑っている。それにつられてルイサーと妻も笑ってしまった。


お茶を運ぶだけ、だったが娘は結局デスラーとタランが帰るまで同席した。






  「幸せそうな家族ですね。」(タラン)

ルイサーの家を出て水路を渡る。

  「そうだな、母星にいたらもっと幸せだったのかもしれんな。私が家族の仲を
   割いてしまったのかもしれない。」

ルイサーも同盟国でなければ母星で兄に次いで偉い地位にいる人だからもっと自由でいい暮らしをしていただろうとデスラーは想像する。

  「しかし総統、ガルマンガミラスにいたから助かったのかもしれません。そう
   思えば命長らえてよかったと思うと思いますが?」(タラン)
  「タラン、ありがとう。タランは私の心を軽くしてくれる。」

デスラーが満足そうに笑う、が急にタランがピシっと敬礼した

  「大変失礼いたしました!」

タランの行動がわからずデスラーが“どうした?”と聞く

  「あぁ…話のネタにした事かね?」

デスラーが察知した。

  「いや、いい。それぐらいじゃないと市民と話せないだろう。」

デスラーが柔らかく笑った。