二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ガルマンガミラス滅亡の危機3

INDEX|11ページ/13ページ|

次のページ前のページ
 

  「お疲れ様でございます。」(リィ)

デスラーは執務室に戻った後、少し事務作業をしてタランに少し休む、と伝え私室に戻って来た。デスラーの私室はちょうど掃除の最中でリィが仕切りアンドロイドが数体部屋を掃除をしていた。

  「すぐに引き揚げます。」

リィはそう言うと端末を操作した。少しするとアンドロイドが道具をまとめ部屋を出る準備を始めた。その様子を見ながらデスラーはソファーに身を沈める。

  「お飲物をお持ちしましょう…少しお待ちくださいませ。」

リィは忘れ物などないか部屋を確認すると一度デスラーの私室を出た。






デスラーは静かに部屋を見渡した。整理整頓されデスクにはデスラー専用の端末がありデスラーしか閲覧できないようになっている。デスラーは立ち上がり窓の外の様子を見る。

緑豊かな田園風景が広がり誰もがゆったりと過ごしているのが見える。ガミラスではありえない風景だとふと笑みがこぼれた。そしてその風景で思いだされるのはイスカンダルの美しい風景…。デスラーが幼い頃前総統の父に連れられイスカンダルに行った時の風景を思い出す。まだイスカンダルにも命があった…しかし死にゆく星として人影はまばらだった。ガミラスは植民地を増やしそこから送られてくる豊かな資材、財があったので誰もが貪欲だった。そのせいか人口が減る事はなくむしろ増加傾向にあった。

デスラーの父は双子星という事もあり一緒に移住先を探そうと何度も足を運び王を説得しようとしていた事を思い出した。


しかしイスカンダルは星の運命を受け入れる覚悟に変わりはないとそればかりを繰り返し王は死去、それを悲観したのか人口は一気に減ってしまった。スターシアは幼い王女となったが王と変わらない意見をデスラーの父の述べ例えイスカンダル人が滅びようとも他の星へ移住、征服するようなことは絶対にしない、と言い切りお互いの星を占領しない確約を取り付けると国交を断絶した。デスラーの父は晩年によりよい星を求め植民地を増やし移住先に適した星をもっと増やそうと小マゼランにとどまらず全宇宙を征服するかの勢いで銀河系へ矛先を向けていた。


しかし…デスラーの父も若くして病で崩御した。イスカンダルの王が崩御してほんの3年後だった。突然の事でガミラスも少し揺れた。が、その時まだ若いデスラーだったが父の右腕となりその手腕を発揮していたので大きな混乱は起こらずデスラー体制に移行する事が出来た。デスラーは父の野望だった銀河系を手に収める事を目標にその最初の礎になるであろう銀河系の外れの太陽系…地球に目標を定めた。




デスラーは父よりカリスマ性があったのか順調に植民地は増えていった。従属する星の人間はガミラスにひれ伏し多くの国民をガミラス軍、として戦地に送った。



あの時はそれが正しいと、それしか考える事がない状態だった。

  「デスラー総統…。」

ぼんやり窓辺に立つデスラーにリィが声を掛けた。

  「すみません、お声を掛けてもよろしかったでしょうか?」

普段ぼんやりする事などないデスラーを見て驚いたリィだったが持ってきた酒をどうしたらいい判らず声を掛けた。

  「すまん…よく考えたら今までこのような風景を間近で見た記憶がなくて…
   ついぼんやり眺めてしまったよ。」

デスラーがそう言いながらソファーに座った。

  「そなたの星はどのような星だったのかね?」(デスラー)

リィはデスラーの差し出された右手にグラスを渡し酒を注ぐ。

  「私の星は…私が幼少の頃、ボラーの占領されて貧しい星になりました。
   ボラーが現れる前は静かで争いのない国だったと父に聞いた事があります。
   でも突然ボラーが現れ…私達は自分たちの星以外にヒトが存在してるなど
   思いもしなかったらしくその圧倒的な戦力の前に言いなりになるしかなかった
   と聞いております。ボラーの植民地になってからは“守ってもらうための
   見返り”を納めるのに大変でした。緑豊かな山を削り鉱山を見つけ献上したり…
   私達の星はどんどん変化して行ったそうです。自分の土地一つで貧富の差が
   激しくなりボラーに貢献した者は金の亡者になってしまったそうです。
   人々の心は荒めば国も荒れ…。」

リィは国民が荒れた生活をしていたのに自分たちは裕福な暮らしをしていた事を思い出し言葉に詰まった。リィがその裕福だった理由を知ったのは最近だ。

  「どうした?」

言葉に詰まったリィにデスラーが問いかけた。

  「私は…王族の娘として生まれ周りがそのような状態だったのにとても裕福な
   暮らしをしてまいりました。」

リィの顔が厳しい顔になった。