二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ガルマンガミラス滅亡の危機3

INDEX|8ページ/13ページ|

次のページ前のページ
 

  「その昔…イスカンダルとシャルバートは交流がありました。ただイスカンダル
   の星の寿命が短いと判るとイスカンダル人は私達と連絡取る事も止め運命を
   受け入れる準備を始めました。少しでもエネルギーを抑え市民の負担を減らす
   ために…。でもイスカンダル人は大地のエネルギーを敏感に感じる体質だった
   のでしょうか…星の衰退と共に人口もどんどん減って行きました。私が
   ファンタムに幽閉される時感じていた意識はすでに数人しかいなかった記憶が
   あります。」

ルダが静かに窓の外を見た。

  「…でも…イスカンダルの女王の意識は常に感じます。スターシア様とサーシア
   様。美しく芯のある強い女性でした。」

ルダの瞳に涙が見えた。

  「サーシア様の最後の言葉は“お姉様”でした。とても勇気のある女性…
   スターシア様と違ってとても行動的でした。だから地球へ向かうのも恐れず
   自分が行く、といいスターシア様の反対を押し切り宇宙船に乗ったんです。
   スターシア様はアンドロイドを地球へ向かわせる予定でしたが自分が行って
   地球人を納得させイスカンダルへ導く、とそう言ってました。」

なぜ地球人に救いの手を差し伸べたのか…すべてはデスラーが地球を乗っ取ろうとしたから…ルダは敢えてその事に触れず話を続けた。

  「結果…サーシァ様は火星に不時着し命を落としました。スターシア様はその
   代わり…といってはなんですが地球人を救い新しい命を誕生させました。
   でもそのスターシア様も…最後私が聞いた言葉は“サーシァ、守”でした。
   その名が妹君なのか娘なのかはわかりません…。お相手の男性を心から愛し
   幸せそうなテレパシーを常に感じていました。」(ルダ)
  「ルダ女王…あなたは宇宙の人のどんな意識も感じる事が出来るのですか?」

タランが尋ねる。

  「全部…とは言い切れませんが。およその事はわかります…以前、テレサと言う
   女性が私の意識に突然入って来た事があります。
   彼女のテレパシーは恐ろしかった…幾度かその意識を強く感じた事があり
   ますがいつの間にかその意識を感じなくなっていました。そして白色彗星が
   現れた時再び彼女のテレパシーを感じました。でもその時は以前のテレパシー
   ではなく静かな叫び、と申しましょうか…白色彗星の事を知らせる為の
   テレパシーだったので全く違っていたのでしょう。やがて彼女のテレパシーも
   消えてしまいましたが私の心には彼女の意識が時々届きます。とても暖かく
   今までと違って幸せそうな意識を感じます。」

ルダの表情も穏やかになる。

  「私は…戦いが嫌いです。」

穏やかになったルダの表情が再び一変する。

  「戦いは人を変えてしまいます。人が人を殺す…普通の人はそんな教育を受けて
   いないはずなのに戦いが始まると…」

ルダの肩が震えるのを後ろに立つ揚羽がそっと支える。

  「私は…この世から戦いを無くしたい…心からそう、願っています。」

ルダは立ち上がると窓辺から見える景色を眺めた。後ろからそっと揚羽が支える。

  「イスカンダルのコスモクリナーDより出力は劣りますが放射能除去装置を
   デスラー総統にお渡ししましょう。全ての放射能除去に時間がかかります。
   その間…ガルマンガミラスが人の住める環境に戻り人々が今まで通りの
   生活ができるまでどうぞ市民の皆様は私の星でお預かりしましょう。」

ルダが窓辺から視線をデスラーとタランに移してそう告げた。

  「ルダ女王…。」(デスラー)
  「多分…スターシァ様が生きてらしたら同じように救いの手を差し伸べた
   でしょう。」

デスラーは笑顔でそう告げるルダの元へ歩み寄り跪いた。

  「私は幾度も過ちを犯してきた…しかしその過ちを指摘してくれる人と出逢えた。
   ルダ女王…感謝いたします。」

タランもデスラーの後ろで跪くと二人で頭を下げた。

  「デスラー総統…立ってください。ガルマンガミラスが元の星に戻りよりよい
   星になりますよう…」

ルダがデスラーに手を差し伸べた。デスラーもルダの手をとる。

  「シャルバートもできる限りガルマンガミラスのお力になりたいと思います。
   明日、放射能除去装置をデスラー艦へお届けに参ります。」

ルダがそう告げ揚羽を見た。

  「では明日参ります。」

ルダと揚羽は静かに謁見室を出て行った。