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ガルマンガミラス滅亡の危機3

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翌日、デスラーとタランはデスラー艦に向かった。するとそこに放射能除去装置と見られる大型の機械が船にけん引されてきた。その船にルダと揚羽が乗っているのが見える。

  「タラン…これで我が母星は救われる…」(デスラー)
  「デスラー総統…」

タランも感極まりそれ以外何も言えない。

やがて船は係留され放射能除去装置はデスラー艦に運び込まれた。その作業を終えてデスラーはタランを従えルダの元へ向かった。




  「感謝の極み…」

デスラーとタランはルダの前に跪いた。

  「デスラー総統、お止め下さい。困ったときはお互い様です。」

ルダが笑顔で答える。

  「ご準備が整いましたらご出発なさいませ。こちらは何も心配なさらずに。
   一日も早く国民を安心させられるよう、ご帰還をお待ちしております。」

ルダの言葉にデスラーが頷く。

  「ご厚意、ありがとうございます。今日、これから会議を行いますが明日、
   出発できるよう準備を整えたいと思います。」

タランが深々と頭を下げて告げる。

  「航行は異次元空間をお通りください。それでは私は失礼させていただきます。」

ルダがそう告げるとデスラーとタランはもう一度頭を深く下げ船を下りた。






  「デスラー総統、なんとすばらしい!ガルマンガミラスに戻れるとは!」

会議でタランの報告を聞きウルフが叫ぶ。誰もがそう大声で叫びたいところだがデスラーの手前静かにしているのでウルフの行動がとても目立った。

  「ウルフ、会議中だぞ。」

タランが笑顔でたしなむ、がお構いなしだ。

  「我が母星に戻れるのですぞ?そんなに大人しくいられる方がおかしい!」

全く落ち着きのなくなったウルフに誰も手を付けられない。

  「しかも母星が落ち着くまで市民もこちらで世話になれるとは…シャルバート
   とう星は素晴らしい星だ。」(ウルフ)
  「そうだ…シャルバートはとても素晴らしい星だ…そこで今後だがシャルバート
   の難民船を見かけた場合はガルマンガミラスで一時保護しようと思う。」

デスラーの言葉に誰もが驚いた。

  「総統、よろしいのでしょうか?」

タランも恐る恐る聞く…がデスラーは静かに頷いた。

  「シャルバートが危害を加える星でない事は誰もが分かった事だと思う。
   危害どころか我が母星の危機に救いの手を差し伸べてくれた。」

デスラーの静かな口調に誰もが頷く。

  「ガミラス人は知っている…かつて戦い合った敵同士でも手を取り合う事が
   できる事を。」

タランの脳裏にガミラスを滅ぼしたヤマトとイスカンダルの暴走に助けに来てくれたヤマトが被る。

  「実際、我々は手を取り合う事が出来た。余計な血を流す事もなかろう…しかし
   シャルバートの仮面を被ったボラーの残党の場合もある。決して安易に
   受け入れはしない。一度保護しルダ女王に話した上でその後の事を決める。」

デスラーの決定に誰もが右手を挙げ賛成をした。






  「タラン…ガルマンガミラスの放射能除去作業はウルフに指揮をとらせろ。」

会議を終えてデスラーが執務室でタランに言った。タランは少し頭を下げてそれを聞いている。

  「余はここに残る。」

その言葉にタランが驚いて顔を上げた。

  「何をそんな驚いた顔をしているのかね?市民を抑えるのに余がここにいるのが
   一番だと思ったのだよ。放射能除去は余が行ったからと言って早くに終わる
   わけではない。ならばここで治安維持のためにいた方が賢明なのではないかと
   思ったのだ。どうかね?タラン。」

デスラーが静かに問いかける。

  「ハッ…私もそう思います。しかしなぜウルフを?」

タランが聞く。

  「まず万一ボラーがやって来たとしてもウルフなら戦闘態勢を整え余が母星に
   戻るまで持ちこたえる事が出来るだろう、と言うのとデストロイヤーより
   ウルフの亜空間で戦える戦艦の方がその時に有利だろうと思って…」

しかしデスラー艦に放射能除去装置は設置した。

  「デスラー艦に配置されている戦闘員はそのまま放射能除去にあたるよう
   指示せよ。あとは全てウルフに任せる、と。」

タランは今まで何でも先頭に立って動いていたデスラーを思い出しなぜだろう、と思った。