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ガルマンガミラス滅亡の危機4

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翌朝、サランとリィが執務室に朝食を整えて部屋を辞すると昨日の男が再び現れた。

  「リィ様、私は先に戻りますので。」

サランは気を利かせて先に戻って行ってしまった。

  「サラン様!」

リィはサランを呼び止めたがサランはそんなのお構いなしで小走りで去って行った。

  「あの…。」

その男、よく見ると背は高くがっしりしていて胸に勲章もある。どうもそれなりの武勲をたてある程度の地位があるものらしい。まぁ確かにある程度の地位のない軍人が執務室の前をうろうろできるわけない、とリィは思った。

  「は、はい。」

リィは緊張する。

  「総統のお食事を運んだあと少し休憩があると伺いまして…そのお時間を今日、
   頂く事は可能でしょうか?」

男は静かに聞いて来た。サランが逃げてしまった今、“ムリです”とも言えずリィは小さく頷いた。

  「ここではなんですから…表に出ましょうか。」

男はそう言うとリィの少し前を歩き宮殿の前に広がる園庭へ向かった。

  「私はラージベルと申します。数少ないガミラスの生き残りです。」

男は歩きながら自己紹介を始めた。

  「あ、あの、私はリィ…アンダンから来ています。」

リィの自己紹介にラージベルはにっこり笑う。

  「私はアンダンに行った事があります。」

ラージベルの言葉にリィが驚く。

  「そうなんですか?あ、でも何もない田舎な星で…でもおいしいものたくさん
   ある星なんです。」(リィ)
  「そうですね、私は少し滞在していたのでよく知っています。」

ふたりは園庭を散歩していた。

  「そうなんですか…じゃぁ…」

リィも王家の人間だが学校へ通っていたしお忍びで市内をうろうろした事もある。そんな事で話が盛り上がった。






  「ん?」

朝食を終えたデスラーが人の話し声が外から聞こえ窓の外を見た。

  (リィ…とラージベル大尉か。)

そこへ窓の外を見ていたデスラーが気になりタランも窓の外を見た。

  「ほう…そうですか…。」

タランが納得したような顔をする。

  「何か知っているのか?」(デスラー)
  「いえ…以前、ラージベルはアンダンに駐在していたことがありまして…おそらく
   アンダンの王とも面識があるはずです。リィ様の故郷の話が出来る数少ない
   人物でしょう。」

タランがにこやかに答える。

  「そうか…」

デスラーは短くそう答えると窓の外から書類に目を戻した。




  「…え、じゃぁラージベル様は伯父に…王にお会いになったんですか?」(リィ)
  「はい。まさかこんな事態が起こると思わず…銀河が交差するひと月前に
   本星に戻って来たばかりで…アンダンがどうなっているのかはとても気に
   なる所です。」

ラージベルはため息をついた。リィも肩を落とす。

  「でも…デスラー総統のお言葉があるので少し安心しています。」

リィは笑顔になった。

  「もし…アンダンが無くなってしまってもこうして受け入れてくれる星があると
   いうのは本当に心強いです。」

リィの笑顔にラージベルも笑顔になる。

  「でも総統は昔の事をとても後悔しているようだわ。」(リィ)
  「そうですか?」(ラージベル)
  「えぇ…」

リィは昨夜の三人の女性の事が気になっていた。

  「リィ様にはお決まりの方がいらっしゃるのですか?」

昨日、デスラーに聞かれた言葉だ。リィはベムラーゼの献上品…

  「…いた…ようです…。」

リィは苦しい顔になった。そのおかげでいい暮らしを送っていた事が苦しくて仕方なくなっていた。

  「その方はお幸せですね。リィ様の様な美しい方が許嫁、なんて。」

ラージベルは何も知らない。リィは一瞬暗い顔をしたがラージベルは気付かなかった。リィもすぐに会話に意識を戻した。

  「え?美しい?…(キョロキョロして)」(リィ)
  「あなた様でございます。」

ラージベルはリィの顔を正面で見ている。リィは恥ずかしくなり目を伏せ

  「ごめんなさい、私そろそろ戻らないと…。」

思わずそこから逃げ出すように走ってサランのいる侍従の部屋へ向かった。