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ガルマンガミラス滅亡の危機4

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  「リィ殿?」

今日も就寝前の酒を注ぎにリィが総統の私室にいた。朝の事が気になりデスラーの前という事を一瞬忘れてしまった。

  「疲れているのか?」

デスラーがリィを気遣う。

  「いえ、そんな事ありません。」(リィ)
  「そうか?ならよいが。」(デスラー)

リィは聞いてみたい事があった。

  「総統…お聞きしてもいいですか?(デスラーが頷く)もし…もしもヤマトの
   ユキさんに想い人がいなかったら総統はそのユキさんを愛しましたか?」(リィ)
  「ユキを?余が?」

デスラーはすごい驚いた顔をした。

  「まず…ないだろう。」

デスラーはすぐに断言した。リィはその返事の速さに驚いた。

  「なぜ…そう言い切れるのでしょうか?」(リィ)
  「ユキは…きっと私では満足できないだろう。」

デスラーの言葉の意味が分からないリィは小首をかしげる

  「ユキと言う女性は大きく包み込むような女性だ。見た目はすごいきゃしゃ
   なのだが…ユキは守られるより守りたい方だ。」(デスラー)
  「え?女性なのに守る方、なのですか?」(リィ)
  「そうだ…でも致命傷なのはその男が守られている事に後から気付く事…。」

デスラーが楽しそうに話す。

  「え…ヤマトの艦長、ってそんなに頼りない方なのですか?」(リィ)
  「いや、普段はそんな事はないのだぞ?戦艦一隻でガミラスを滅亡させた
   艦だからな。その男はユキがいるから“艦長”でいられたのかもしれない。」

デスラーはそう言って嬉しそうに酒を飲みきった。

  「なぜ…そんな事を聞く?」(デスラー)
  「なぜ、と言われましても…あの……あの総統がご命令すればどんな女性も
   大丈夫なのではないかと思いまして…。」

リィが率直に思ったままを言った。

  「まぁ…ガミラス人だったらそうかもしれないな…しかし彼女は地球人だ。
   我々は侵略者で敵対する人間…そんな人間の命令など聞くか?」

デスアーがにこやかに話す。

  「命令で人の気持ちは動かない…余はそれを一番知っている。」

そう、どんなに力があってもスターシァはデスラーを見てくれなかった。

  「さて…では余は休むとする…。」

デスラーはそう言うと私室の奥にあるベッドルームへ消えた。











  (私、失礼な事を聞かなかったかしら?)

リィはふと不安になった。でも聞かないと自分が眠れそうになかった。

  (なぜ私が不安になるの?)

ここ最近こんな不安が心の奥にある。

  (私…どうかしちゃったのかしら…今まで不安で眠れない、なんてことなかった
   のに…。もちろんここへ来る時は不安だったけどサラン様がとてもよくして
   くれて…総統も副官のタラン様もとてもお優しいし…。)

リィはメモを無理やり手渡した男の事などすっかりぬけ落ちていた。

  (ふぅ…早く眠らなきゃ…明日の朝食の準備はできていたはず。)

一つだけ小さなため息をついてリィは深い眠りについた。








  (スターシァ…キミは私がどこにいても見る事が出来るだろう。そしてその
   視線の先には古代の兄と娘がいるのであろうな…。家族、か。)

物思いにふけるとついスターシァ星が恋しくなり窓の外を見上げるがここはシャルバート。異次元空間にあるため星は見えない。

  (つい…キミの姿を追ってしまう。いないとわかっているのに…そう、ガミラス
   からイスカンダルはいつもも見えていた。イスカンダルはとても美しい星
   だった。気高くまるでキミ自身、そのものだった。)

デスラーはふとユキの顔を思い出す。

  (ユキ…キミは相手が古代で幸せか?ふふふ、そうでなければあの微笑みは
   ないだろうな。今日は侍従に妙な事を聞かれたよ。ユキはサーシァによく
   似ている…。あのふたりには王女としての気高さがあった。しかしユキは
   違う。人としての人を信じる強さを感じた。私はそこに負けた…。
   人に対して初めて負けたと思った瞬間だったかもしれない。こればかりは
   スターシァにも感じた事のない“敗北”だったよ。キミはスターシァと別の
   意味で私の特別な女性なのかもしれないね。)

デスラーは自傷気味に笑うとベッドに横になった。

  (私の傍についている侍従が面白い子でね…とても君たちが気になるらしい)






寝る前の酒が効くのかデスラーはすぐに深い眠りについた