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ガルマンガミラス滅亡の危機4

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ソファーの横には誰もいなかった。窓は少し白々と夜が明けてきたようで明るかった。身を起こすとはらりとブランケットが落ちた。

  (まさか…総統が?)

ベッドメイキングの時に一番上に掛けるブランケットだ。とても上質そうで手触りもよくいつまでも触っていたいと思わせるようなブランケットだった。

  (そうよね、いつも私がベッドの上に掛けるブランケットよね)

リィは真っ赤になっていた。

  (うわ…男の人の前で寝ちゃうなんてはしたない女だと思われてしまったかも)

もちろん今までこんな事はなかった。親元でずっと暮らしてきて外泊など一度もした事ない(親同伴以外で)テーブルの上にはリィが使っていたグラスの横にデスラーがいつも使うグラスが並んで置いてあった。

  (総統…ご立腹でしょう…あぁ、お父様、お母様どうしましょう。伯父様
   私はとんでもない事をしてしまいました。私のせいでお父様とお母様が
   ここから追い出されてしまうかもしれません。母星が確認でいない今、ここを
   追い出されたら…お父様に付いてきている使用人の方とかどうなってしまうの?
   あぁ、どうしよう…。)

リィは真っ青になった。自分の失敗で家族がどうなってしまうのか。家族だけではない…ブランケットを畳みながら深い深いため息を一つ…







考えても仕様がないとリィは肩を落とすと使用済みのグラスと酒の入っていたデカンターをトレイに乗せてデスラーの私室を後にした。











翌朝リィはいつも通りの仕事をこなしていた。少し眠くて体が重たかったが普段と変わらないようにしなくてはと思い普通にしていた。何気なく仕事をしていて気付いた事があった。

  (肌の色の違う侍従が増えている?)

  「サラン様…最近侍従の数が増えて来ていませんか?」

リィがサランに小声で聞いた。サランは周りを見て後でね、と目くばせするとリィは静かに頷き休憩時間を待った。




  「お疲れ様。」

サランの小さな私室。侍従頭にしては狭い部屋だな、と思ったがリィは初めて通されるサランの部屋に“失礼します”と言って入った。

  「昨日は随分遅かったのね。お相手差し上げたの?」

サランの一言に一瞬焦ってしまったがリィはすぐに

  「すみません、昼間の事で話が盛り上がってしまい私も…。」

リィが酒の相手を務めていたとなれば仕方ない事で。

  「そう、総統も一人で飲みより楽しいでしょう。」

サランが笑顔でそう言ったのにリィはホッとした。

  「さっき言ってた事ですが…。」

サランが眉間にしわを寄せて話し始めた。

  「リィ様が総統のお世話をしているとどこからか話が流れ各星の要人から我が
   娘も、と立候補が相次ぎました。こんな状態なので給金は出せないと申して
   いるのですが後を絶たない状態で…。」

人数が多すぎて困っているのかとリィは思ったが

  「総統のお傍にいれば見初められる可能性がありますでしょう?」

リィはサランの言葉で全てを察した。